早苗田の合掌 思う存分撮影 富山県南砺市・相倉集落で初の夜間鑑賞日

AI要約

南砺市平地域の世界遺産・相倉合掌造り集落で29日、窓明かりで観光を楽しんでもらう「窓灯(あか)り鑑賞日」が始まった。写真愛好家らの要望を受けた初の試み。

相倉集落では住民の生活を守るため、午後5時以降は住民と宿泊者以外は集落に入らないよう求めており、時間外に訪れるマナー違反を減らそうと、撮影可能日を設けた。

写真家たちは夕暮れ前から一眼レフを手に「昔ながらの原風景を撮影したい」と語り、幻想的な景色を求めてシャッターを切り始めた。

早苗田の合掌 思う存分撮影 富山県南砺市・相倉集落で初の夜間鑑賞日

 南砺市平地域の世界遺産・相倉合掌造り集落で29日、窓明かりで観光を楽しんでもらう「窓灯(あか)り鑑賞日」が始まった。写真愛好家らの要望を受けた初の試み。県内外から訪れた多くのカメラマンが、水田を囲むように陣取り、水の張った田んぼに映る「逆さ合掌」をカメラに収めた。

 相倉集落では住民の生活を守るため、午後5時以降は住民と宿泊者以外は集落に入らないよう求めており、時間外に訪れるマナー違反を減らそうと、撮影可能日を設けた。

 ライトアップイベント以外の延長は初めてで、集落内にある駐車場、駐車場前の棚田、展望台の3カ所に限って見学や撮影可能とした。群馬や京都など県外ナンバーの車も目立った。

 夕暮れ前から一眼レフを手にした写真愛好家が集まり、午後7時すぎに日が落ち始めると、幻想的に暗闇に浮かび上がる逆さ合掌を収めようと、盛んにシャッターを切っていた。

 写真家の安念余志子さん(南砺市)は、講師を務めるフォトサークルanの14人と訪れ「昔ながらの原風景を撮影したい」と話した。名古屋市の山田久司さん(62)は「田んぼが水鏡になるのは今だけ。この時期だけの夕景を撮影したい」と語った。

 延長は午後8時まで。6月5日と、来年1月の毎週水曜(元日を除く)にも設ける。

 集落保存財団の中島仁司事務局長は「住民のプライバシーに配慮し、ルールの範囲内で撮影してもらえるなら、来年度は他の時期の実施を提案することも検討したい」と話した。