「注文に時間はかかるけれど、心を込めて」言葉がうまく出ない「きつ音」の大学生・高校生らが接客 1日限定カフェ…「100人に1人、やりたいことあきらめない」

AI要約

鹿児島市に1日限定でオープンした言葉に苦しむ若者たちが接客するカフェ。彼らは思いを込めた接客を心掛けている。

鹿児島大学で開かれた「注文に時間がかかるカフェ」では、きつ音の若者が全員店員を務める。社会的な課題に取り組むこの斬新な企画は全国24か所で展開されている。

カフェの仕掛け人である奥村安莉沙さんは、自らもきつ音で悩んだ過去を持ち、このカフェを通じてきつ音のある人たちが夢を諦めずに活躍する社会を目指している。

鹿児島市に1日限定でオープンしたカフェ。

接客に挑戦したのは、言葉を滑らかに話すことができない「きつ音」の若者たちです。言葉にそれぞれの思いを込めて店に立ちました。

鹿児島大学に1日限定でオープンした、「注文に時間がかかるカフェ」。

店員は全員、きつ音の若者です。クラウドファンディングなどを活用しこれまでに全国24か所で開かれました。鹿児島では初めての開催です。

カフェの仕掛け人、神奈川県出身の奥村安莉沙さん(32)。

自身も幼いころ、きつ音で悩んだ1人です。

(奥村安莉沙さん)「カフェの店員に憧れていたが、きつ音をからかわれてたりいじめられたりした経験があって夢を諦めた」

そんな時、留学先のオーストラリアのカフェで目の当たりにしたのが、

病気で話すことができない店員が身振り手振りで接客をする姿でした。

(奥村安莉沙さん)「こんな接客方法もありなんだと、その姿に背中を押されてこのカフェを作った。きつ音がある人たちもやりたいことを諦めない社会ができたら」

企画したひとりで、店員の鹿児島大学2年、鬼束倫太朗さん。SNSでカフェの存在を知り、去年、広島で開催された際に参加しました。

(鹿児島大学2年 鬼束倫太朗さん)「きつ音者同士の繋がりがあまりない。自分の周りでもそういう場を作れたらと計画した」

きつ音は言葉が滑らかに出ない症状で、日本には100人に1人いるといわれています。鬼束さんが話し方に違和感をおぼえたのは保育園のころです。

(鹿児島大学2年 鬼束倫太朗さん)「友達の名前がすっと言えなくて、両親に相談したらきつ音というのがあると教えられた」

周りの人には自分がきつ音であることを伝えていない、鬼束さん。カフェの開催が決まっても友人に声をかけることができませんでした。

(鹿児島大学2年 鬼束倫太朗さん)「きつ音だからと気を使わせてしまうのではと思うと相手に中々言えない。不安なこともあるけれど、せっかくなら楽しい時間にしたい」