獅子役18年伝統紡ぐ 富山・諏訪川原で豪出身フェンウィックさん

AI要約

オーストラリア出身の英会話教室校長、トム・フェンウィックさんは、富山市諏訪川原の獅子舞に参加し、地域の誇りを持ち続けている。

来日して18年、日本の良い文化である獅子舞を後世に残したいと考えているトムさんは、地元の春祭りで獅子舞を披露する準備をしている。

諏訪川原の獅子舞は、地域に愛され、様々な世代が参加しており、トムさんも「家族のような存在」と述べている。

獅子役18年伝統紡ぐ 富山・諏訪川原で豪出身フェンウィックさん

「地域の誇り残したい」

 オーストラリア出身で英会話教室校長、トム・フェンウィックさん(43)=富山市鹿島町=は、来日してから18年にわたり同市諏訪川原の獅子舞に参加している。母国に同じような文化はなく「獅子舞は日本の良い文化で、地域の誇り。メンバーの一員として後世に残したい」と話す。26日にある地元の諏訪社の春祭りで、青壮年会の仲間と共に地区の150軒ほどで演舞を披露する。

 フェンウィックさんは2004年に来日し、富山市諏訪川原で暮らし始めた。初めて獅子舞を見たのは05年で、住民に誘われ練習に加わった。「パワフルなステップがかっこよくてやってみたいと思った」と振り返る。

 当時はまだ日本語に自信がなかったが、メンバーから手ほどきを受けて06年に獅子役として初めて参加した。毎年、地域を練り回るうちに多くの知り合いができた。「諏訪川原が実家のような場所になった」と話す。

 自身の結婚式や英会話教室をオープンした際は、青壮年会が獅子舞で祝ってくれた。メンバーについて「家族のような存在」だと言い、20年に鹿島町に引っ越した後も関わり続ける。

 諏訪川原の獅子舞は、現在の諏訪社が建てられた1952年ごろ、同市婦中町下轡田から伝わったとされる2人獅子。青壮年会によると、市中心部で獅子舞が残るのは諏訪川原だけという。今年は新たに3人を加えた10~70代の約30人が参加する。メンバーの一人、中村亜希子さん(40)は「トムは子どもからお年寄りまで、みんなに愛されている。一緒に獅子舞を守っていきたい」と話した。