内密出産「女性たちの背景を知って」 孤児院の生活、虐待、いじめを経験した俳優の思い

AI要約

イラン出身の俳優・タレントのサヘル・ローズさんは、苦難を乗り越えて日本で活躍している。彼女は内密出産に焦点を当てた番組でナレーションを担当し、自身の経験を踏まえて思いを語った。

サヘルさんは社会の中で子どもを救うために大人が救われなければならないと説き、慈恵病院の取り組みを支持している。彼女は生まれてきた子どもたちと産んだお母さんたちのケアを願っている。

彼女は問題提起を重要視し、少しでも力になれることを願っている。サヘルさんのナレーションを交えた番組は、5月25日に放送され、TVerでも見逃し配信が行われる。

内密出産「女性たちの背景を知って」 孤児院の生活、虐待、いじめを経験した俳優の思い

 イラン出身の俳優・タレントのサヘル・ローズさん。サヘルさんは、イラン・イラク戦争の最中に4歳で両親を失い、孤児院での生活を経て、養子縁組を結んだ養母と8歳の時に来日しました。義父からの虐待や路上生活、学校でのいじめを経験し、現在は人権や福祉に関する活動も続けています。

 今回、サヘルさんは、熊本市の慈恵病院が取り組む「内密出産」の当事者たちに焦点をあてた番組のナレーションを担当。涙を流しながら、言葉を声に乗せたサヘルさんが、自身の経験と重ねながら思いを語ってくれました。

(サヘルさん)

 まず、生まれてこられる命は宝物なんだということを伝えたいと思います。私自身、孤児院での生活を経験していて「何で生まれてきたんだろう」と葛藤を抱えていたこともあります。しかし、振り返ると、産んだ親の気持ちを知る機会はあまりありませんでした。

 社会の中で子どもを救うために一番重要なことは、“大人が救われなければ、子どもが救われない”ということ。覚悟もタイミングも伴わない中で妊娠し、色々なことを背負った女性たちの背景を知ることが必要で、当事者と向き合う慈恵病院の取り組みはとても大切なものです。

 生まれてきた子どもたちのことも、産んだお母さんたちのこともケアしてあげたいと思いました。日本では色々なことが″無かったこと″にされるけれど、蓋をするのではなくて、問題提起をすることで、救われる人がいると思っています。伝えることは重要で、少しでも力になれたならと思います。

 サヘルさんがナレーションを担当したKAB35周年特別企画「いのち つないで」は、5月25日(土)午後1時30分から放送します。国内で唯一「内密出産」に取り組む熊本市の慈恵病院。孤立した女性たちの背景にあるものとは。内密出産当事者の証言を通じ「いのちをつなぐ」ということを考えます。放送終了後はTVerでも見逃し配信を実施します。