“冤罪”で12年服役の女性「ひきょうなやり方するな」 ウソの自白をさせた警察官は“捜査の正当性”主張

AI要約
冤罪事件で無罪が確定した女性が捜査機関の責任を追及する民事裁判で、警察官が自白を誘導した疑いを否定滋賀県警の警察官は捜査の正当性を主張し、取り調べでの誘導を否定事件の経過と取り調べ内容について警察官と被害者の証言が食い違い
“冤罪”で12年服役の女性「ひきょうなやり方するな」 ウソの自白をさせた警察官は“捜査の正当性”主張

やり直しの裁判で「ウソの自白をさせた」と指摘された警察官は、捜査の正当性をかたくなに主張しました。

滋賀県の病院で入院患者が死亡したことをめぐる冤罪事件で、無罪が確定した女性が捜査機関の責任を追及する民事裁判で、23日、女性を取り調べた滋賀県警の警察官が出廷しました。

【西山美香さん】「ひきょうなやり方をするんだなとすごい思った」

裁判の最大の山場を終え、冤罪被害にあった女性は落胆の表情を見せました。

滋賀県の湖東記念病院の看護助手だった西山美香さん(44)は、入院患者を殺害したとして12年間服役しましたが、やり直しの裁判で事件の存在そのものが否定され、無罪が確定しました。

当時、逮捕の決め手となったのは西山さんの“自白”でしたが…。

【西山美香さん(2017年)】「(患者が)亡くなった時の写真を机に並べて、『これを見て何も思わないのか、責任を感じないのか』と。厳しい取り調べを受けていたから『否認しても無理や』と思って…」

やり直しの裁判の判決では、西山さんに軽度の知的障害などがあることに加え、取り調べに迎合しやすい傾向があると指摘。「警察官はこれらを認識したうえで、西山さんが知り得なかった情報を教えるなどして、不当に誘導し、ウソの自白を引き起こした」と認定しています。

その後、西山さんは捜査機関の責任を追及する民事裁判を起こしていて23日、当時取り調べを行った滋賀県警の現職警察官が出廷しました。

(Q.逮捕前の自白について)

【取り調べを行った警察官】「西山さんは『刑事さん、私の不安を取り除いてください。私がしたのは人殺しです』と話したが、供述に変遷があったので信用しなかった。しかし、後日まっすぐ私を見て、涙ながらに話し始めた」

【西山さんの代理人弁護士】「机の上に亡くなった方の写真を並べて『何も思わないのか』と言った?」

【取り調べを行った警察官】「一切ありません」

取り調べでの誘導や指示などについて繰り返し尋ねられたものの、警察官は「一切ない」と否定しました。