食わず嫌い（５月２０日）
コンピューターゲームやビデオゲームの腕前を競うｅスポーツが新たなスポーツとして注目されている。プロ選手は子どもの就きたい職業ランキングで上位に入るほど人気が高まり、福島市飯坂町ではｅスポーツ体験交流施設をオープンさせるなど、その地位を確立しようとしている。
コスプレもかつては冷ややかに見られることがあったが、今や日本が海外に誇るサブカルチャーとなっている。アニメや映画のキャラクターに扮する楽しみを通じて、愛好者が全世界に広がっている。
未知の分野に挑戦することで世界が広がることを体現するように、ｅスポーツを始めるお年寄りも増えている。失敗はリセットできるため、新たな楽しみや学びを見つけることができる。
もはや新たなスポーツと言える。コンピューターゲームやビデオゲームの腕前を競うｅスポーツ。若者を中心に競技人口が拡大し、プロ選手は子どもの就きたい職業ランキングで上位に入る▼「遊びの延長」と冷ややかに受け止められる時期もあった。福島市飯坂町で活動しているプロチームは、世の視線を変えようと動く。今月、ｅスポーツ体験交流施設「ＩＢＵＳＨＩＧＩＮ（いぶしぎん）」をオープンさせた。所属選手が、１０時間にも及ぶ日々の練習で磨いた技を来場者に披露する。ひた向きに取り組む姿が胸を打つ▼アニメ、映画のキャラクターに扮［ふん］するコスプレも、世間に認められるまで時間を要した。日本では１９８０年代に始まったとされ、当初はごく一部で親しまれる趣味の世界だった。ハロウィーンなどで別人になりきる開放感を味わい、愛好者は全世界に広がった。今や日本が海外に誇るサブカルチャーに成長した▼勇気を持ち、未知の分野に踏み込めば世界は広がる。認知機能の低下防止に役立つと知り、ｅスポーツを始めたお年寄りも少なくない。「食わず嫌い」では、人生は味気なくなってしまう。一度や二度の失敗はリセットできるから…。＜２０２４・５・２０＞
