長岡愛(山形商高出)ほろ苦い2位 佐賀2024国スポ・競泳成年女子100背

AI要約

第78回国民スポーツ大会「SAGA2024国スポ」では、競泳や水泳など5競技が行われた。成年女子100メートル背泳ぎで長岡愛海が2位入賞、少年女子A400メートル個人メドレーでは長岡海涼が大会新記録で優勝した。

大学1年の長岡愛海は、社会人選手との経験差を実感し、ほろ苦い2位に終わった。しかし、悔しさを糧に今後の成長に期待を寄せている。

少年女子Aの400メートル個人メドレーで長岡海涼が大会記録を更新し優勝。成績を積み重ね、未来への野望を胸に掲げている。

長岡愛(山形商高出)ほろ苦い2位 佐賀2024国スポ・競泳成年女子100背

 第78回国民スポーツ大会「SAGA2024国スポ」は15日、佐賀市のSAGAサンライズパーク水泳場などで会期前競技の競泳など5競技を行った。県勢は競泳の成年女子100メートル背泳ぎの長岡愛海(神奈川大・山形商高出)が1分0秒64で2位に入った。少年女子A400メートル個人メドレーでは宮城県代表の長岡海涼(東北高・山形五中出)が4分39秒10の大会新記録で優勝した。

【焦点】大学1年、社会人との経験差を実感

 大学生になって初めて臨んだ成年カテゴリーは、ほろ苦いデビューとなった。競泳成年女子の100メートル背泳ぎで長岡愛海(神奈川大・山形商高出)が2位になった。全国の舞台は何度も踏んできたが、隣の第4レーンで泳ぐ高橋美紀(愛知・林テレンプ)に終盤で引き離され「社会人との経験値の差が出てしまった」と、銀メダルを喜ぶことはできなかった。

 好スタートを切りトップの高橋と0秒01差で前半50メートルを折り返すと、ターン後に浮き上がった瞬間、先頭に躍り出た。「最初のバサロから調子が良かった。このまま行こう」。しかし終盤で高橋に追い付かれ、そのまま相手に先着を許した。レース後、電光掲示板の結果を見た長岡は顔をしかめて悔しがった。

 大会前には日本学生選手権(インカレ)に出場し100メートルと200メートル背泳ぎで2冠を成し遂げた。「インカレで燃え尽きてしまった。山形のために貢献したい思いがあったのに、集中しきれなかった」と後悔が口をついて出た。それでも、大学1年の夏を終えたばかり。「まだ伸びしろはある」。悔しさを糧に、この先のインカレ連覇、そして五輪代表選考会への思いを強くした。

どよめき―長岡海(宮城代表・山形五中出)が大会新V

 タイムが表示された瞬間、会場全体がどよめいた。少年女子Aの400メートル個人メドレーで、宮城県代表の長岡海涼(東北高・山形五中出)が大会記録を0秒23縮める4分39秒10で頂点に立った。それまで41秒台だった自己ベストも更新。「40秒を切れると思っていなかった。うれしいしかない」と驚きと喜びを素直に表現した。

 「最初のバタフライは力を抑えていこう」。後半にスパートをかけるプランが決勝ではまった。バタフライと背泳ぎまでの前半は3秒差以内に4人が入る接戦。その中を2位で折り返すと、平泳ぎで一気に力を爆発させて後続を引き離した。泳ぎながら周囲のレーンをうかがうと、誰の気配もなかった。「出し切るしかない」。最後の自由形でさらに差を広げ、決勝でただ1人、4分40秒を切った。

 同種目でパリ五輪に出場した成田実生(東京・淑徳巣鴨高)を抑えての優勝。長岡自身は4年後のロサンゼルス五輪について「まだ考えられていない」と控えめだ。だが、「もっと世界大会に出られるように頑張りたい」とも意気込む。結果を積み重ね、まだ描き切れていない未来を少しずつ手繰り寄せていく。