世界遺産・合掌造り集落内にバウムクーヘン店 20代姉妹、故郷に戻り立ち上げ

AI要約

白川村荻町にオープンした「エガオヤカフェ」は、地元の米粉を使用したバウムクーヘンを製造販売している。

姉妹が原料にこだわり、バウムクーヘンの製造に3年以上かけて取り組んできた。

オープン初日から大盛況で、地元民も観光客も訪れて喜んでいる。

世界遺産・合掌造り集落内にバウムクーヘン店 20代姉妹、故郷に戻り立ち上げ

 岐阜県大野郡白川村荻町の世界遺産・合掌造り集落内で6日、バウムクーヘンの製造を手がける「エガオヤカフェ」がオープンした。村出身の大溝ゆずさん(24)と琴さん(23)姉妹が立ち上げ、原料には白川郷で取れた米粉を使用。村の新たな土産品として売り出している。

 オープンしたのは土産店の跡地。4年ほど前に店主の高齢化を理由に店が閉まることになった際、親戚に当たる姉妹に「なにかやらないか?」と声がかかった。当時、ゆずさんは東京都の菓子店で働き、琴さんは愛知県の大学に進学していた。地元に戻ることを考えていた琴さんと、家族からの誘いを受けたゆずさんが話し合い、2人の店を持つことに決めた。

 商品のコンセプトは、約3年間かけて話し合い、準備を進めてきた。2人の実家は土産品の卸売業をしており、村外で製造した土産品も見てきた。「村にある原料を使い、村で製造した土産品を作りたかった」と琴さん。村独特の相互扶助の仕組み「結(ゆい)」のイメージを重ね、土産品として日持ちもする丸い形のバウムクーヘンを自分たちの商品に選んだ。

 販売するのは、ベーシックな「白川郷米粉ソフトばうむ」(1600円)と、外はガリッと中はしっとりした新食感の「白川郷米粉ハードばうむ」(1650円)の2種類。バウムクーヘンは、湿度や気温で大きさが変わるなど想像以上に作ることが難しく、姉妹は神戸市に短期の“修業”に行ったりして腕を磨いてきた。

 オープン初日は、観光客だけでなく地元民も入れ代わり立ち代わり訪れ、大盛況となった。琴さんは「白川郷の一つの思い出として持ち帰ってもらえたら」と笑顔で話した。

 土産用の商品のほか、食べ歩き用の「バウム串」やコーヒーなどドリンクのテイクアウトも取り扱う。営業は午前9時~午後5時だが、当面は同1時から営業する。