川下り観光遊船「日本ライン下り」復活へ、イベントや景観整備 木曽川中流域観光協合意

AI要約

木曽川中流域観光振興協議会が、2012年に休止された日本ライン下りを復活させる方針を決定。

ライン下りは観光のシンボルであり、安全性確保などの課題をクリアしながら復活を目指す。

復活に向け、景観整備やイベント開催など誘客面での取り組みも検討されている。

川下り観光遊船「日本ライン下り」復活へ、イベントや景観整備 木曽川中流域観光協合意

 岐阜、愛知県の木曽川中流域4市1町でつくる「木曽川中流域観光振興協議会」は5日、県庁で開かれた会合で、2012年に休止が決まった木曽川中流域の川下り観光遊船「日本ライン下り」を復活させる方針で合意した。木曽川は、ドイツの観光地ライン川の景色に似ていることから「日本ライン」と呼ばれ、ライン下りは観光のシンボルだったが、浜松市の天竜川で5人が死亡した11年の川下り船転覆事故で乗船客数の低迷が加速し運航を休止していた。

 ライン下りは大正時代に始まったとされ、ピーク時の1970年代は乗船客が年間40万人を超えた。現在は木曽川中流域でラフティングやEボートといったスポーツ・アクティビティーの川下りが展開されているが、協議会はかつて人気を博した観光遊船の形での復活を目指す。今後は、安全性を保障できるボートの開発や定期航路の調整など課題を一つ一つクリアしながら、復活を目指すことになる。

 会合では、今後の方向性として、(1)木曽川ならではの川下りの復活と、両岸の景観と集客につながる拠点の整備(2)四季を通じたにぎわいづくりに向けた、構成市町自らによる地域経営体制づくりと、実行に向けた計画づくり(3)先進地域との交流協定締結を目的とした、緩やかな交流の開始-が示された。

 協議会は川下りの復活には誘客面で相乗効果を図るイベントの開催や景観整備の必要性も確認した。顧問を務める古田肇知事は5日の定例会見で、「ライン下りは木曽川の魅力のシンボル。一挙に復活することは難しいが、できるところから始め、本格的に再開させたい」と語った。