遠見櫓と月見櫓つなぐ「多聞」確認 三重・松坂城跡の実態解明へ大成果
三重県松阪市は、松坂城跡で遠見櫓と月見櫓の石垣や遺構を確認したことを発表した。
調査結果は松坂城の実態解明に大きな成果となる。
市役所側の遠見櫓跡で現地説明会が開催される。
三重県松阪市は4日までに、殿町の国史跡・松坂城跡の市役所側に位置する遠見櫓(やぐら)と月見櫓について、長屋形式の建物「多聞(たもん)」でつながっていたことを確認したと公表した。今年8月までの発掘調査で分かった。市文化課は7日午前10時から、遠見櫓(やぐら)跡付近などで、現地説明会を開く。事前申し込み不要で、参加無料。
説明会は文化財の保護とともに市民らの興味、関心を高めて史跡整備への理解を深めることを目的に開く。
市文化課によると今年2、3月と5~8月末までの発掘調査で、遠見櫓を建てるために設置された石垣や、遠見櫓と月見櫓が幅約3.6メートル、長さ約41メートルの多聞でつながっていたことを結論付ける石垣や、複数の礎石、排水溝などの遺構を確認したという。
同課は「不明な点が多い松坂城の実態を解明する上で大きな成果」としている。
また、遠見櫓のものとみられる大量の瓦片も出土している。
説明会当日は、松坂城跡本丸下段の月見櫓跡付近に集合し、1時間程度の予定で開く。雨天や熱中症特別警戒情報が発表されている場合は中止する。市産業文化部文化課、市文化財センターの職員らが説明を担当する。定員は設けない。
問い合わせは市文化財センターTEL 0598(26)7330 へ。