泉房穂氏、斎藤・兵庫県知事パワハラ疑惑で苦言 「知事は脈々と官僚出身、県庁“ヨイショ体質”が…」

AI要約

斎藤元彦・兵庫県知事のパワハラ疑惑に関する証人尋問が行われ、斎藤知事は反省の言葉を述べつつ続投を表明。

弁護士泉房穂氏は斎藤知事の姿勢を批判し、信任決議案提出の可能性を示唆。

兵庫県庁の体質や長い官僚出身知事との関係が問題視されている。

斎藤知事が幹部職員を叱責した事例について報告され、パワハラ疑惑について検討が続けられている。

泉氏は斎藤知事だけでなく兵庫県庁組織全体の変革が必要と指摘している。

次回の百条委では公益通報制度の運用や物品受領疑惑に関する尋問が行われる予定。

泉房穂氏、斎藤・兵庫県知事パワハラ疑惑で苦言 「知事は脈々と官僚出身、県庁“ヨイショ体質”が…」

 斎藤元彦・兵庫県知事のパワハラ疑惑などを告発した文書問題で、斎藤知事本人に対する証人尋問が8月30日、兵庫県議会の調査特別委員会「百条委員会」で公開で行われた。

 傍聴席には、元衆議院議員で前兵庫県明石市長の弁護士・泉房穂氏の姿もあった。

 泉氏は委員会終了後、ラジオ関西の取材に対し、この問題の本質的な要因として、「兵庫県庁の体質」や「百条委員会の限界」を挙げた。

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 泉氏はまず、この日の斎藤知事の証人尋問での証言を総括し、「予想していた通りだった」と述べた。

 斎藤知事は尋問で、職員に対するパワハラ自体を認めずに、「至らない点はあった。過去は取り戻せないので、もっと良い知事としてやっていく。言動はより慎重に、襟を正していく」と、反省の言葉を述べつつ続投への思いを口にした。

 こうした斎藤知事の言葉に、泉氏は「本人は開き直っている。『自分が悪い』とは全く思ってない。むしろ自分が被害者のような感じだ」との印象を持ったという。

 そして、「最後まで(パワハラなどの疑惑を)認めないだろう。時間が経っても、スタンスは変わらない。(百条委を)漫然と続けても平行線をたどるだけ。今後、事実が明らかになるのは難しい」と述べた。

 さらに、「政治家に必要なのは、(ドイツの政治学者・マックスウェーバーが言うように)情熱と判断力、そして責任感。斎藤知事には責任感が欠けている。責任転嫁、という言い方のほうが良いかも知れない」と指摘した。

 そのうえで、「次のステージとして不信任決議案提出という流れになるだろう。県議会の動きが注目される」とした。

 2021年の兵庫県知事選挙で斎藤知事を推薦した日本維新の会は、次回9月6日に開かれる百条委員会で、斎藤知事に対する証人尋問の内容によっては、兵庫県議会で不信任決議案を提出する可能性を示唆している。

 また、兵庫県議会の第4会派「ひょうご県民連合」はすでに、9月19日に開会する9月定例会で斎藤知事に対する不信任決議案を提出する方針を固めている。

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 8月30日、斎藤知事の尋問の前に、局長クラスの幹部職員に対する尋問が公開で行われた。

 この幹部は、斎藤知事が訪問先で公用車を降り、入口の手前20メートルから歩かされたことに激怒し、幹部を叱責したことについて、「非常に強い調子で言われ、私としては想定外だった。頭の中が白くなった」と振り返った。

 本来は車両進入できないエリアだったが、斎藤知事は「なぜ車止めをどけておかないのか」と叱責したという。

 こうしたことを踏まえ、叱責を避けるには、ある程度ルールを破らないといけないのかという委員からの質問に対し、「(基本的にルール違反しないようにしないといけないが)許容できる範囲と、できない範囲がある」と答えている。

 百条委はこの他の尋問も踏まえ、「パワハラに近いと評価できるが、今後慎重に検討する。さまざまな事実が浮かび上がった」としている。

 泉氏はこうした事象について、「こうした“モンスター知事”を生み出したのは、古い兵庫県庁の体質も原因だ」とも指摘した。

 「兵庫県では、1962年から62年間も、官僚出身者が脈々と知事であり続けている。これは全国でも珍しい。こうした土壌で、職員が知事を『ヨイショ』する、持ち上げる文化が、こうさせてしまったのではないか。斎藤知事本人のみならず、兵庫県庁組織自体が本当に県民を見ているのか、今の時代に合った政治をしているのかと思う」 と、自身が明石市長だった12年間の政治家時代と重ね合わせた。

 そのうえで、「知事だけを変えれば良くなるという問題ではない。県庁組織としての体質が変わらなければ」と述べた。

 次の百条委は9月5、6日に開かれ、斎藤知事は6日に再び出頭する。この日は告発文書をめぐる公益通報制度の運用のあり方や、物品受領(告発文書では「おねだり」と表現)疑惑についての尋問かある。