信州のそばどころ戸隠に衝撃 創業400年「大久保西の茶屋」が自己破産申請へ
江戸時代から続く老舗のそば店「大久保西の茶屋」が自己破産申請の準備に入ったことが判明。
負債は約2億円に上り、新型コロナウイルスの影響や売り上げの減少が要因とされている。
同業者たちや地域の人々から衝撃を受け、戸隠地域の伝統的な味を守ってきた1つの店が閉店することになる。
ざるの上に、一口サイズのいわゆる「ぼっち盛り」で置かれ、提供される「戸隠そば」。
その味と伝統から、多くの人たちに親しまれています。
しかし9月、江戸時代から続いてきたそば店が自己破産申請の準備に入ったことが分かりました。
帝国データバンク長野支店によりますと、長野市戸隠豊岡のバードライン沿いに本店を置く「大久保西の茶屋」は2日付で事業を停止し、自己破産申請の準備に入りました。
「大久保西の茶屋」は江戸時代初期の1624年に創業。実に400年の歴史がある老舗のそば店です。
一時期は他に長野市にそば店を3店舗とんかつ店2店舗を展開していて、2004年2月期には年間の売上高およそ3億1000万円を計上していました。
その後、採算が取れない店舗の閉店や新型コロナウイルスの感染拡大の影響で売り上げが落ち込み、資金繰りがひっ迫。
今年2月期の、年間売上高はおよそ6000万円にとどまり、先行きの見通しが立たなくなっていました。
負債は集計中ですが、およそ2億円に上るということです。
戸隠観光協会によりますと、戸隠地域におよそ30店舗ある「そば店」。老舗が負債を抱えたことに同業者たちにも衝撃が走っています。
いろりのそば処 築山築山泰之さん
「もうただびっくりしたという一言に尽きます。お客さん最近通った時もたくさんいらっしゃったのでまさか閉店するなんて想像もできないですね。戸隠そばは蕎麦屋さん、皆さんの力で守って代々受け継いでいるものですので1店舗でも少なくなるのは戸隠から戸隠そばが少なくなってしまうと本当に寂しく感じております」
手力屋 中川綱昌さん
「まあ、寂しいけどしょうがないやね。コロナも影響するのかね」
戸隠伝統の味を守ってきた1つの店舗が姿を消すことになります。