新生「チェルシー」開発担当者が秘話語る 函館・道南食品が継承 北海道内限定で9月3日発売

AI要約

明治のロングセラーキャンディー「チェルシー」が販売終了し、北海道サイコロキャラメルを製造する道南食品がブランドを引き継ぐことになった。

チェルシーは伝統的な味で知られ、明治が1971年に発売したが、若者向けのグミ人気に押され売上が低迷し、終売となった。

道南食品はバタースカッチ味としてチェルシーをリニューアルし、北海道限定の土産品として9月に発売する予定。

新生「チェルシー」開発担当者が秘話語る 函館・道南食品が継承 北海道内限定で9月3日発売

 3月に販売を終了した乳業製菓大手明治(東京)のロングセラーキャンディー「チェルシー」。全国のファンから惜しむ声が上がる中、「北海道サイコロキャラメル」を製造する道南食品(函館)がブランドを引き継ぐことになった。同社では伝統の味を残しつつ、原料や食感をリニューアル。道内限定の土産品として9月3日に発売するのを前に、開発担当者らが舞台裏を明かした。

 チェルシーはスコットランドの伝統的なキャンディーを参考に明治製菓(当時)が1971年に発売したハードキャンディー。2002年度には25億円を売り上げたが、近年は若者を中心に食感の柔らかい「グミ」の人気が高まるなどしてキャンディー市場が縮小。22年度の売り上げは5億円にまで減り、収益性低下を理由に終売が決まった。

 それでも、半世紀続くブランドの継承を望む明治は、これまでと真逆の口溶けが柔らかいチョコレートのような「ガナッシュ」状の菓子へのリニューアルを模索。グループ会社で、製造可能な設備を持つ道南食品に白羽の矢を立てた。

 道南食品は看板商品であるサイコロキャラメルも、16年に生産を終了した明治から引き継ぎ北海道限定の土産品として復活させた経験がある。今回受け継いだのは、チェルシーの発売当初からのラインアップで濃厚なバター風味が特徴の「バタースカッチ味」。課題となったのは、柔らか食感を出すため生キャラメルにチョコレートを練り込ませるという従来のチェルシーにはない原料と製法だ。同社開発グループの木村幸乃さん(25)は「キャンディーとガナッシュはまったく別のお菓子。土台が違う中で、味を再現するのが一番難しかった」と振り返る。