店内ど真ん中で食べたクレープ、待ち合わせ場所だった動物の銅像…思い出詰まったイオン鴨池、最終日に「ありがとう」の来店続々

AI要約

鹿児島市のイオン鹿児島鴨池店が49年にわたる歴史に幕を閉じ、閉店の営業最終日に多くの客で賑わった。地元に愛される店舗や従業員による感謝の言葉が交わされた。

施設内にある人気店や待ち合わせスポット、ホールや特設ボードに思い出が詰まり、閉店に寂しさを感じる声も聞かれた。

最後まで笑顔で接客を続けた従業員や地域の有志による感謝イベントが開催され、地域社会への感謝の気持ちが伝わった。

店内ど真ん中で食べたクレープ、待ち合わせ場所だった動物の銅像…思い出詰まったイオン鴨池、最終日に「ありがとう」の来店続々

 鹿児島市のイオン鹿児島鴨池店は、49年にわたり市民に親しまれてきた。営業最終日の31日は、思い出を確かめるように多くの客が訪れ、往時のにぎわいが戻ったようだった。長年勤めた従業員は地域への感謝を語った。

 施設中央のホールにあるクレープ店「ディッパーダン」には、午前から客の長い列ができた。鴨池新町の会社員小城純子さん(48)は「娘の空手の試合後に必ず来た。ホールで食べるとやっぱりおいしい」と3人の娘と一緒に味わった。

 開業当初からあるグラタン店「薔薇道(バラード)」。夫と店を立ち上げた重信良子さん(80)は「閉店する実感が湧かない。たくさんの思い出が詰まっている」としみじみ語った。店は、4年前に看板を引き継いだ山川拓郎さん(51)が騎射場地区に移転させる。

 市電郡元電停側入り口では動物の銅像の写真を撮る人も。東谷山1丁目の無職笹平忠志さん(68)は「待ち合わせの場所だった。最後に見られてよかった」。

 最終日を前に24日には中郡、鴨池両校区の有志や鴨池商店街振興会による感謝イベントがあった。ホールの特設ボードには31日までに3000件を超える思い出やエールが寄せられた。

 午後7時の閉店が近づくにつれ、各テナントの商品棚は空っぽに。開業時に入社し、パートを含め通算25年間店員として働いた中島邦子さん(68)は、募るさみしさを抑えて最後まで笑顔で接客した。「常連さんに声をかけてもらい、楽しく働くことができた。地域に感謝したい」と話した。