住宅浸水、静岡県内で500件超/牧之原市全域に一時「緊急安全確保」/9月1日も新幹線終日運休【台風10号】

AI要約

台風10号の影響で静岡県内で記録的な大雨が発生し、土砂災害への警戒が呼びかけられている。1日には線状降水帯が発生する可能性が高く、1時間雨量が多い所で60~300ミリに達する見込み。

熱海市や牧之原市では土砂災害や河川氾濫の危険性が高まり、住宅や交通機関に被害が出ている。JR東海は運行の見合わせや本数の減少を実施している。

東海道新幹線や東海道線、各種フェリーなどにも影響が及んでおり、運行の変更や運休が相次いでいる。警戒が必要な状況が続くため、注意が必要だ。

住宅浸水、静岡県内で500件超/牧之原市全域に一時「緊急安全確保」/9月1日も新幹線終日運休【台風10号】

 台風10号は31日、紀伊半島の南海上を東南東に進んだ。1日以降にかけて西日本を東に進み、その後熱帯低気圧に変わる見込みだが、湿った空気が流れ込むため、大気が不安定な状況が続く。静岡県内は1日午前にかけて線状降水帯が発生する可能性がある。県や静岡地方気象台はこれまでの記録的な大雨の影響で地盤が緩み、土砂災害への厳重な警戒を呼びかけている。

 気象庁によると、31日午後5時20分時点で熱海市網代の72時間雨量が観測史上最大の552・5ミリ。降り始め(26日午後5時)から31日午後4時までの雨量は、伊豆市天城山で755ミリ、静岡市駿河区で669・5ミリなどを観測した。

 牧之原市は同日夜、河川の氾濫の危険性があるとして、市内全域に警戒レベルが最も高い「緊急安全確保」を一時発表した。市によると、市内で土砂崩れ8件、道路冠水24件発生した。

 静岡地方気象台によると、1日に予想される1時間雨量は多い所で中西部60ミリ、東部、伊豆50ミリ。1日午後6時までに予想される24時間雨量は多い所で300ミリという。

 県の午後2時までのまとめによると、県内の住宅の浸水害は少なくとも522棟に上る。静岡市では目視などによる調査で数棟が床上、515棟が床下浸水したとみられる。熱海市火葬場では、裏山が崩れて敷地内に土砂が流入し、一部損壊した。浜松市中央区和地町では土砂災害があり、住宅に倒木が接触して一部損壊した。

 JR東海によると、東海道新幹線は、三島―名古屋間について終日運転を見合わせた。東京―三島間は正午ごろ運転を再開したが、終電を午後8時前に繰り上げた。東海道線は、静岡―掛川間で終日運転を見合わせた。このほか県内区間は本数を減らして運転し、終電を夕方に繰り上げた。

 東海道新幹線は1日、始発から三島―名古屋間で終日運転を取りやめる。東京―三島間の運転可否は同日午前10時ごろに発表する。名古屋―新大阪間は大幅に本数を減らして午前6時ごろから運転する。

 東海道線は、静岡―掛川間は終日、このほかの県内区間は始発から夕方ごろまで、それぞれ運転を見合わせる。身延線は富士―鰍沢口間で終日運転を見合わせ、特急「ふじかわ」の全区間を運休する。御殿場線は国府津―沼津間で終日運転を見合わせ、特急「ふじさん」の全区間を運休する。伊東線は伊東―熱海間の全線で終日運休する。

 駿河湾フェリーは全便欠航する。