“秋から冬のラニーニャ現象”で「9月以降 台風発生確率が高まる」残暑で台風シーズン長期化も 長期予想を気象台が分析

AI要約

今年の夏は異例の暑さと台風発生が続いており、地球の気候変動について関心が高まっている。

暑さの要因として、高気圧や海面水温の上昇、エルニーニョ現象、地球温暖化などが挙げられる。

今年の異例の暑さや台風の少なさは相互に関連しており、海洋状況が台風の発生や経路に影響を与えている。

“秋から冬のラニーニャ現象”で「9月以降 台風発生確率が高まる」残暑で台風シーズン長期化も 長期予想を気象台が分析

まもなく8月が終わります。今年の夏は異例の暑さ!そして最近は台風が次々に発生しています。今地球の大気はどうなっているのでしょうか。

猛烈な暑さに見舞われている日本列島。那覇でも、35℃を超える猛暑日が7月に8回も観測され、猛暑日が最も多かった1916年に並ぶ記録となっています。一方、県内に接近した台風の数は現時点で4個で影響が少なく、海水温の上昇によるサンゴの白化などが懸念されています。

地球の気候変動や海について詳しく知る専門家に、今年の異例の暑さや今後の見通しを聞きました。

(松澤)ーなぜ今年は異例の暑さになったのでしょうか?

▽沖縄気象台 萱場瓦起 気候変動・海洋情報調整官

「いくつかの要因が重なっていると考えられます。まずは“高気圧”です。沖縄地方では梅雨明け後の6月下旬から8月上旬まで太平洋高気圧に覆われて晴れた日が多く、強い日射が記録的な高温に影響したと考えられます」

「さらに上空では偏西風が平年に比べて北側に位置したことで、沖縄付近は暖かい空気に覆われやすかったことも影響したと考えられます。次に“海面水温”です。強い日射によって暖められた海面水温も高温の要因として挙げられます」

▽沖縄気象台 萱場瓦起 気候変動・海洋情報調整官

「その他にも、春まで発生したエルニーニョ現象によって地球の大気が暖められていたことや、地球温暖化の影響も記録的な高温を後押ししたと考えられます」

エルニーニョ現象とは赤道域の海面水温の変化のことです。貿易風が弱くなり、南米ペルー沖からインドネシアにかけて海水温が高くなるエルニーニョ現象が春に発生すると、その年の夏は猛暑になりやすいという特徴があります。はるか遠くの海の温度が日本の気候に大きく影響を与えるのです。

(松澤)ー今年の台風の特徴もこれらが関係している?

▽沖縄気象台 萱場瓦起 気候変動・海洋情報調整官

「関係していると考えられます。春までエルニーニョ現象が発生していたことも関係して、インド洋の海面水温が平年よりも高い状態が続いています。このような海洋変動が例年と異なる大気の流れをもたらし、(通常は)台風が発生しやすい西部太平洋熱帯域で、発生しにくい状況に。結果的に台風発生数が7月までは4個と平年に比べて少なくなりました」

「また、沖縄地方は8月上旬まで太平洋高気圧に覆われる日が多かったため、台風が沖縄付近に近づきにくい状況となりました。よって台風が沖縄付近を通過するための条件の1つである“台風発生数”が少なく、台風経路も沖縄付近を通過しにくい状況だった、この2つの条件が重なったと言えます」