【ふくしま創生臨時支局・常磐湯本】温泉街活性化へ映画祭 福島県いわき市のミニシアターKURAMOTOが初

AI要約

福島県いわき市常磐湯本町の「湯本駅前 ミニシアターKURAMOTO(クラモト)」は10月10日から14日まで、初の映画祭を地域共生社会をテーマに開催する。

映画は複数の場所で上映され、視覚・聴覚障害者向けの配慮もされる。多様な生き方を描いた作品が展示され、様々なイベントも予定されている。

蔵田さんが地元に愛着を持ち、映画館を運営する中で地域活性化に努めている様子が伝わる。ボランティアも募集中。

【ふくしま創生臨時支局・常磐湯本】温泉街活性化へ映画祭 福島県いわき市のミニシアターKURAMOTOが初

 福島県いわき市常磐湯本町の「湯本駅前 ミニシアターKURAMOTO(クラモト)」は10月10日から14日まで5日間、「地域共生社会」をテーマに初の映画祭を湯本温泉街の各所で開催する。クラモトを経営する蔵田真吾さん(53)は「立場や世代を超え、地域住民がつながるきっかけをつくりたい」と意気込む。

 映画をクラモト、JR湯本駅前のあとち広場、いわきFCパークの3カ所で上映する。クラモト以外は屋外にスクリーンを設置して映し出す。それぞれバリアフリーに対応し、車いすで鑑賞できる環境を整える。上映するのはタレントのさかなクンの半生を描いた「さかなのこ」など多様な生き方に触れられる6作品で、視覚・聴覚障害者が鑑賞しやすいよう、音声ガイダンスや字幕を付ける。

 映画上映の他に自転車文化発信・交流拠点「NORERU?」などを会場に、視覚障害者や介助者を体験するブラインドウオークや、障害者支援舎子育て支援団体によるブース出展などの企画を検討中だ。

 蔵田さんは千葉県出身。会社の転勤でいわき市に移住した後、東日本大震災と東京電力福島第1原発事故を経験。復興と温泉街の再生に向けて奮闘する地元住民と交流するうち、湯本の地に愛着が湧いた。2019年、妻悠子さん(46)の提案で空き店舗を、託児所やカフェなどを備えた小さな映画館に改装。会社勤めしながら、悠子さんと二人三脚で運営している。「居心地が良い」などと映画愛好家らからも好評だ。公衆浴場での出張上映など地域の活動を大切にしてきた。蔵田さんは「映画祭を通じて人と人がつながり、地域共生社会について考えるきっかけになればうれしい」と願う。

 今後、参加者や運営を手伝ってもらうボランティアを募る予定。問い合わせはクラモトのメールcinema.kuramoto@gmail.comへ。