【台風10号・片平さん解説】『経験したことのないような』台風に警戒を 「暴風特別警報」鹿児島で発表

AI要約

片平敦気象予報士による28日午後1時の台風情報。特別警報が出され、暴風や高波への警戒が呼びかけられている。

台風10号の位置や勢力、進路に関する詳細情報。非常に強い勢力で日本付近に近づいている異例の展開。

台風の進路予測と影響範囲について。速度を上げずに進んでおり、日本各地に影響が及ぶ可能性がある。

【台風10号・片平さん解説】『経験したことのないような』台風に警戒を 「暴風特別警報」鹿児島で発表

台風の最新情報を気象予報士の片平敦さんが解説します。

【片平敦 気象予報士】「まず28日午後1時発表で、台風の特別警報が出ています。鹿児島県の奄美地方以外の地域に、台風の暴風特別警報や、海沿いには波浪の特別警報が発表されています。

 これからまさに経験したことのないような暴風あるいは高波が起こりうるので、早めの避難行動をとってくださいということで、暴風と波浪の特別警報が発表されました。

図の紫色に塗られている地域は、経験したことのないような猛烈な風が吹く恐れがあります」

鹿児島県に暴風と波浪の特別警報が発表されています。

暴風、高波、高潮に最大級の警戒が必要で、28日午後2時、気象庁は緊急の記者会見を開いて、注意を呼び掛けています。

【片平敦 気象予報士】「28日午後1時現在の台風10号の位置ですが、鹿児島県の種子島・屋久島と奄美大島の間ぐらいの地域に中心があります。屋久島と種子島の一部が、いま風速25メートル以上の暴風域に入っていて、九州も南半分が風速15メートル以上の強風域の中に入ったところです」

台風はゆっくりとした速度で北に向かっているということです。

【片平敦 気象予報士】「28日午後2時からの気象庁の記者会見では、『経験したことのないような』という言葉がありました。九州は割と台風が来る地域だと思っている方もいるかもしれません、その九州でもめったに来ないような強い台風だという心構えを持っていただきたいです。

中心の気圧は935ヘクトパスカル。

『非常に強い』勢力で、このような勢力で日本付近に近づいてくる台風はなかなか例がありません。

沖縄や南の方では割と強い形で来ることがありますが、いま日本の近くの海の温度が高いので、強まりながらやって来るという異例の展開になっています。

この後も速度はあまり上げないまま北上してくる見通しで、予想進路を示す『予報円』の中心を通っていくと、九州の西を29日(木)~30日(金)で進んでくる見通しです。なかなか速度を上げないということは、影響が長引く恐れがあります。

その後、進路を東寄りに変えて、31日(土)に東の方へ進んで、四国や近畿のあたりに。その後9月1日(日)~2日(月)にかけて、まだ速度を上げないまま、東日本や北日本の方へ進んでいく見通しです。

『予報円』というのは『この円の中のどこかに中心が進む可能性が高い』という意味があります。台風が大きくなるわけじゃありません。例えば、一番北側のコースを通ると、九州北部を通って山陰を通って日本海に抜けていくパターンもあります。南側のコースを通ると、九州南部で急に進路を東寄りに変えて海に出て、四国の沖合を通って関東の南というパターンもあります。

 一番怖いのは直撃コースで、九州~四国~近畿~東海~北陸~関東と日本列島を突っ切っていく可能性もあります。非常に動きが心配な台風と思ってください」