”真夏の車内に置き去り”10か月男児の死亡事故から1年 「車内に残すことは絶対しない」高校生制作の音声を駐車場で放送

AI要約

北九州市の商業施設の駐車場で生後10か月の男の子が熱中症で死亡した事故から1年が経ち、子供の置き去りを防ぐ取り組みが広がっています。

小倉井筒屋が運営する駐車場で放送される注意喚起メッセージは、子供の安全を守るために原田悠衣さんらが手がけたものである。

車内に子供を放置すると短時間でも体温が危険な状態になることが実証されており、頻繁な注意喚起が重要である。

”真夏の車内に置き去り”10か月男児の死亡事故から1年 「車内に残すことは絶対しない」高校生制作の音声を駐車場で放送

北九州市の商業施設の駐車場で生後10か月の男の子が車に取り残され、熱中症などで死亡した事故から1年が経ちました。

わずかな時間でも危険な子供を車に置き去りにする行為、事故を未然に防ぐための取り組みが広がっています。

駐車場での放送

「『少しだけなら』と思わず、お子様だけを車内に残すことは絶対しないよう、お願いいたします」

北九州市のデパート「小倉井筒屋」が運営する駐車場で5分に1回流れる放送。

子供の置き去りを防ぐための取り組みで、小倉商業高校の生徒が、原稿の作成から読み、録音まで手がけたものです。

原稿を作成した小倉商業高校2年・原田悠衣さん

「子供が車に乗ったタイミングで寝てくれたから、買い物に連れて行ったら大変だからっておいていく親って多いと思うんですよね。けどそれが命とりになるっていう子供の安全を守れるのは大人だけ」

1年前、北九州市八幡西区にある商業施設の駐車場で生後10か月の男の子がおよそ2時間半車内に置き去りにされ脱水症と熱中症で死亡しました。

全国で同様の事故が相次いだことから、北九州市が注意を呼びかける放送を企画しました。

JAFの実験では、エアコンを切ってから15分で車内の暑さ指数が危険な状態になることが確認されています。

炎天下の車内はどうなるのか? JAFの協力のもと体験してみました。

エンジンを切った直後から車内は熱気に包まれ、タオルで汗をぬぐっても汗が止まりませんでした。

若松康志 記者

「車内は熱気に包まれていて、体中から汗が止まらない、そういった状況でした。10分、15分と聞くとわずかかもしれませんが、大変危険だなと感じました」

特に乳幼児は体温調節機能が未発達で短時間で体温が上がりやすくなるため、わずかな時間でも車内に子供を残すのは危険だということです。

JAF福岡支部・廣瀬翔さん

「(乳幼児は)わずかな時間でも体温が上がりやすいという傾向がありますので、大人が思っているよりも体感温度が高いものだと考えていただければ」

JAFの調査では、子供を車内に残して離れたことがある人のうち半数以上が「すぐに車に戻ることができるため」と回答していました。

JAF福岡支部・廣瀬翔さん

「エンジンをかけているから大丈夫と思わないでください。エンジンはボタンを押したらすぐに消えて(止まって)しまいます。お子さん、ペット、同乗者を(車内に)残さないように」

駐車場での放送

「小さなお子様は体温調整機能が未発達です」

置き去りを防ぐための放送は、商業施設300か所で流れています。

子供を持つ親

「これだけ暑いと5分でも書かれている通り、体温が上がるというのはそうだと思いますし、5分に1回啓発されるというのはそういう意味でも頻繁にされるのはすごくいいことだと思います」

「少しなら大丈夫だろう」という考えが取り返しのつかない事態につながる子供の置き去り。

その危険性を伝えるための取り組みが広がりを見せています。