「人生諦めず頑張って良かった」 産後うつに苦しんだ女性、転機になったハンドメードは

AI要約

今西冠菜さんは、子育てセンターが休館していた中、産後うつを経験し、手作りアクセサリーの制作をきっかけに新たな展開を迎えた。

イベントを通じてハンドメード作家として活躍し、新たなグループを立ち上げ、親子向けの活動を企画している。

家族や周囲の協力を得ながら、人と人をつなぎ、親子の笑顔を増やす活動を通じて、人生を前向きに生きようとする姿が描かれている。

「人生諦めず頑張って良かった」 産後うつに苦しんだ女性、転機になったハンドメードは

 今西冠菜さん(33)=京都府向日市上植野町=は、向日市女性活躍センター「あすもあ」で8月、子どもがくじなどを楽しむ縁日と、ハンドメード作家らが参加する「ぽかぽかマルシェ」を2回催した。「多くの方の協力で、計800人も参加してくれた。感想を寄せてくれる小学生もいてうれしかった」と顔をほころばせる。

 長男(4)を出産したのは2020年2月。ちょうど新型コロナウイルス禍が始まった頃だった。9月に家族で向日市に引っ越したが、子育てセンターなどが休館しており、初めての子育てについて気軽に相談できるママ友がいなかった。「疲れていても家事はきちんとしなければ」と、知らず知らず無理を重ねて、産後うつを発症した。

 転機になったのは、リボンで作る勲章のような「ロゼット」。何げなく眺めていた交流サイト(SNS)で見つけ、自分で作ってかばんにつけて出かけると、「かわいい」「私にも作って」と声をかけられた。プレゼントして喜んでもらえると「心がぽかぽかした」。ロゼットの講師資格を取得し、あすもあのマルシェに出店。昨年12月、ハンドメード作家の最初の一歩になるような場所を作ろうと、初めての「ぽかぽかマルシェ」を開催した。

 イベントをきっかけに、入園・入学グッズを製作している磯谷弥咲さん(37)=同市鶏冠井町=と2人で「ひまわりキッズぷらす」というグループを立ち上げた。親子向けの防災講座や交通安全教室を開きたいと企画を練っている。

 「家族も協力してくれ、仲が深まった。人生を諦めず頑張って良かった。周囲に助けられたから恩返しがしたい。親子の笑顔が増える活動をして、人と人をつないでいきたい」とほほ笑む。