新幹線長崎ルート 「幅広い協議」進展なし…国と佐賀県、1年半ぶり開催

AI要約

九州新幹線長崎ルートの未着工区間(新鳥栖-武雄温泉)整備を巡る国と佐賀県の意見交換会が再開された。

国から新たな提案はなく、進展は見られなかった。

佐賀県と国土交通省の協議後、双方の意見や懸念が明らかになった。

 九州新幹線長崎ルートの未着工区間(新鳥栖-武雄温泉)整備を巡り、国と佐賀県が事務レベルで意見交換する「幅広い協議」が23日、同県庁で約1年半ぶりに開かれた。非公開の協議後に取材に応じた佐賀県の担当者は「国から新たな提案はなかった」と述べ、進展はみられなかった。

 幅広い協議は2020年6月から計7回、いずれも公開で実施。23年2月以来となる今回は「自由闊達(かったつ)な議論」を促すため初めて非公開とし、佐賀県の引馬誠也・地域交流部長と国土交通省の北村朝一・幹線鉄道課長が出席した。

 協議後に両者が取材に応じた。北村課長は西九州新幹線(武雄温泉-長崎)の沿線駅の開業効果などを説明し、フル規格化への理解を求めたとした。

 引馬部長は多額の財政負担や在来線の利便性低下などの懸念を伝えたという。フル規格への変更は長崎、佐賀県とJR九州の地元3者による「新たな合意形成」が必要と改めて主張。一方、今年5月に実現した地元3者の意見交換は「有意義」とし、次回の開催に向けて調整を始めているとした。