「障害があるなしに関わらず、何かに行き詰っている人に、自分だけじゃないんだぞって」自閉症の画家・石村嘉成さん描く映画「青いライオン」【第2話】
30歳の画家、石村嘉成さんの作品が重要文化財の展覧会場で展示される。
展示された作品は全長26mの大作「Animal History」で、古代から現代までの生き物が描かれている。
嘉成さんは自閉症啓発のシンボルである「青」にも関わる活動を行う中で、厳しい現実に直面する。
幼い頃、自閉症と診断され、母・有希子さんと懸命な療育の日々を過ごした石村嘉成さん(30)。
今は亡き母・有希子さんとの想い出を胸に、色鮮やかな動物を描き続ける画家、嘉成さんに密着しました。
シリーズでお伝えする「なぜ今 石村嘉成なのか」第2話です。
2023年、嘉成さんの展覧会の展示会場は、なんと重要文化財でした。
かつてベンガラ生産で栄えた町、岡山県高梁市成羽町吹屋。
明治時代後期を代表する擬洋風の学校建築として岡山県の重要文化財に指定された旧吹屋小学校に嘉成さんの作品が展示されたのです。
(石村嘉成さんの父・和徳さん)
「今回の展示は古い木造校舎だから、これまでの展覧会とは違った見せ方をしたいと思っています。とっても面白い展示になったね。よしくん」
(嘉成さん)
「そうですねぇ」
展覧会の会場の窓に暗幕を張り、外光を遮断。
暗がりの中に照らされた作品が浮かび上がる仕掛けです。
展示されたのは、全長26mの大作「Animal History(アニマルヒストリー)」。
(石村嘉成さん)
「古代から現代までの生き物をたくさん描きました」
嘉成さんが、観客の前で作品を紹介すると、大きな拍手に包まれました。
■「世の中は厳しい 無関心よな」
「いやし」 「希望」 「平穏」を意味する「青」。
自閉症啓発のシンボル・カラ―です。
毎年、4月2日は、世界各地が青くライトアップされ、啓発イベントが開かれます。「いやし」 「希望」 「平穏」を意味する「青」。自閉症啓発のシンボル・カラ―です。
毎年、4月2日は、世界各地が青くライトアップされ、啓発イベントが開かれます。
去年、嘉成さんは、岡山市の啓発活動に参加しました。
個展の会場では人気者ですが、この日は勝手が違ったようです。
嘉成さんが啓発のチラシを、街行く人に渡そうとしても素通りされたり、断られたりして、なかなか受け取ってもらえません。
「あれ?」と戸惑う嘉成さんに父・和徳さんは、声をかけました。
(嘉成さんの父・和徳さん)
「世の中は厳しいんよ。無関心よな。世の中って」