宇部署上半期の刑法犯、過去5年で最多 自転車盗に万引き、窃盗犯が65%【宇部】

AI要約

宇部警察署が上半期に認知した刑法犯件数は過去5年間で最多の346件に上り、窃盗犯が最多で全体の約65%を占める。

自転車盗や万引きが窃盗犯の主な犯行であり、自転車盗の被害者の多くが無施錠だった。

新しい制服姿でのコンビニでの飲食物購入制度や警官の姿の出現が犯罪抑止の効果が期待されている。

 宇部警察署(大浴信正署長)が今年の上半期(1~6月)に認知した刑法犯の件数は、昨年から59件増えて346件に上り、過去5年間で最多となった。全国的に多発するSNSでの投資・ロマンス詐欺に加え、初発型非行と言われる万引きや自転車盗を中心とした窃盗犯の増加が全体の件数を押し上げた。

 

 罪種別は、窃盗犯が最多の224件(昨年比45件増)で、全体の約65%を占めた。次いで詐欺などの知能犯が48件(同9件増)、暴行や傷害などの粗暴犯が24件(同3件増)、風俗犯が13件(同12件増)、凶悪犯が2件(同1件増)、器物損壊などのその他が35件(同11件減)だった。

 

 窃盗犯は自転車盗(77件)と万引き(62件)で半数以上。自転車を盗まれた人の約86%が無施錠だった。JR駅などの駐輪場に加え、パーソナルスペースとなる自宅やアパート敷地内でも被害が発生しており、同署では鍵掛けの習慣を持つよう促している。

 

 県警は、今年度から制服姿でコンビニやスーパーでの飲食物購入を認める新制度を運用しており、店内で警官の姿を見せることが万引きの未然防止につながることも期待している。

 

 凶悪犯の1件は強盗致傷で、スーパーで美容液を盗み、追跡していた女性保安員にけがをさせた疑いで市内の男を現行犯逮捕した。もう1件は不同意性交等だった。

 

 うそ電話詐欺と思われる不審電話は、昨年から倍増の81件を認知。実際に被害に遭ったのは6件で、被害額は約5154万円。被害件数は昨年と変わっていないが、金額は倍以上となった。

 

 近年の上半期の認知件数は2020年が293件、21年が291件、22年が310件、23年が287件。

 

 同署生活安全課の伊藤啓二生活安全官は「刑法犯は全体的に増えている。中でも窃盗が目立つので、大切な財産を守るためにも自転車の鍵掛けを含めて気を付けてほしい」と話した。うそ電話やSNS型の詐欺被害防止についても市民に注意を促していく。