台風5号、東北横断 福島県被害なし、岩手県は記録的雨量

AI要約

台風5号が岩手県大船渡市付近に上陸し、東北を横断した。岩手県では記録的な400ミリ超の雨量となり、河川氾濫や住宅浸水の被害が発生した。福島県では被害は確認されていない。

台風は13日に日本海で熱帯低気圧に変わる見通しで、激しい雨が続く恐れがある。過去の統計では1951年以来、3例目の東北太平洋側直撃台風となった。

岩手県では雨量が増加し、河川氾濫の危険性が高まった。避難指示が出され、住宅への浸水も報告された。交通機関にも影響が出ている。

 台風5号は12日午前8時半ごろ、岩手県大船渡市付近に上陸、東北を横断して午後8時までに日本海に抜けた。岩手県で48時間に400ミリ超の記録的な雨量となった。福島県によると、県内では人的被害や住宅への浸水被害は確認されていない。

 岩手県では河川氾濫や土砂災害の危険性が高まり、一部の自治体が避難指示を出したほか、住宅への浸水もあった。13日には日本海で熱帯低気圧に変わる見通しだが、東北や北海道で激しい雨が降るなど、14日まで影響が続く恐れがある。

 東北の太平洋側に直接上陸した台風は、統計がある1951年以降3例目。今年、日本列島に初めて上陸した台風となった。

 気象庁によると、東北では10日ごろから、太平洋側を中心に雨が降り始め、岩手県では総雨量が各地で200ミリを超えた。久慈市山根町で400ミリ超となり、平年の8月の1カ月分の2倍を上回った。市は河川氾濫の危険があるとして流域に緊急安全確保を出した。

 岩手県によると、宮古市田鎖地区で住宅が床上浸水し、岩泉町などでは4棟が床下浸水した。人的被害の報告はない。JR東日本によると、秋田新幹線の一部が12日午後から、秋田ー盛岡間上下線で運休した。

県内避難所は閉鎖

 台風5号の接近に伴い、県内8市町村の計44カ所に開設された避難所は12日、目立った被害がなかったため順次閉鎖された。県によると、最大で15世帯20人が避難所に身を寄せた。

 いわき市では、市内の河川の氾濫や土砂災害の危険性が低くなったとして、市全域に出していた「高齢者等避難」を12日午前7時に解除し、開設していた22カ所の避難所を閉鎖した。南相馬市では、市内3カ所に開設していた自主避難所を、12日午前8時に閉鎖した。