難病の友に音色届け 金沢の百々女木バラック合奏団 7歳西谷さんの手術費募る

AI要約

金沢市内の子ども合奏団が、心臓移植手術を待つ7歳の団員のためにチャリティーコンサートを開催。

手術費を募る取り組みで、合奏団のメンバーが力を合わせて支援活動を展開。

チェロやバイオリンの演奏を通じて、少しでも心臓移植の手助けができるように奮闘。

難病の友に音色届け 金沢の百々女木バラック合奏団 7歳西谷さんの手術費募る

  ●10日、白山市でコンサート

 心臓移植手術を待つ7歳の団員のため、金沢市内の子ども合奏団が10日、手術費を募るチャリティーコンサート(北國新聞社後援)を白山市内で開く。手術には数億円が必要とされ、闘病を続ける仲間の力に少しでもなりたいと企画した。子どもたちは本番に向け猛練習に励みながら、「もう一度みんなで大好きな音楽を奏でたい」と支援を呼び掛けている。

 チャリティーコンサートを開くのは、金沢市宝町の子ども合奏団「百々女木(どどめき)バラック合奏団」。メンバーの小学2年生西谷直暁(なおあき)さん(7)が昨年10月、心臓の壁が硬くなり心不全につながる難病「拘束型心筋症」との診断を受けた。今年2月、国立循環器病研究センター(大阪府)で治療を受けるため、大阪に引っ越した。

 西谷さんは3歳のころ、母美里さん(36)に連れられてチェロの体験会に参加したのがきっかけで音楽にのめり込み、合奏団に入団した。美里さんによると、西谷さんは「みんなと一緒にステージに立ちたい」と語り、主治医に交渉して病院内でチェロを弾く許可を得たという。

  ●心臓移植で待機

 西谷さんは現在、心臓移植手術の待機リストへの登録を終え、治療に専念。闘病を続ける西谷さんの役に少しでも立ちたいと、リーダーの伊田鯉秋さん(8)=金沢市小立野小3年=が中心となって、チャリティーコンサートを開くことにした。伊田さんは「音楽の力で、あき君に元気を届けたい」と意気込んでいる。

 公演に向け、メンバー20人は練習日を増やすなど準備に余念がなく、本番ではチェロとバイオリンの二重奏を繰り広げる。明るく前向きな性格の西谷さんが作曲した「でんしゃビュン!ビュン!かぜゴーゴー!」やビバルディの「調和の霊感」など6曲を披露する。

 心臓移植に伴う手術は米国で行われることが多く、手術に関係する費用は数億円に上るとされる。合奏団の伊田直樹代表(49)は「手術費を募るだけでなく、支援継続の輪を広げるきっかけになるようなコンサートにしたい」と話した。

 公演は10日午後2時、白山市松任学習センタープララで開演し、入場料は2千円。会場には募金箱も設置し、全額を手術費に充てる。公演の様子は録画して西谷さんに届ける。