ボランティア不足、どうか遊佐へ 少ない宿泊施設、別の被災地に集中か

AI要約

遊佐町で記録的な大雨による被害が続いており、ボランティアが不足している状況。

住民が水害からの復旧作業を手作業で行っており、高齢者の支援が必要。

宿泊施設の不足やアクセスの不便さが、ボランティアの動員を難しくしている。

ボランティア不足、どうか遊佐へ 少ない宿泊施設、別の被災地に集中か

 庄内、最上を中心とした記録的大雨による被害を受けた遊佐町で、災害ボランティアが不足している。町内に宿泊施設が少なく、アクセスも不便なため、ボランティアをする人たちが別の県内被災地に集中していると、町の関係者はみている。町民からの支援要請は日々増えており、町は、現在来てくれているボランティアに再度、参加するよう依頼し、人手を確保している状況だ。

 遊佐町では床上・床下浸水の被害が300戸以上に上り、住宅からの泥のかき出しや、水に漬かった家財道具の運び出しなどを住民が手作業で行っている。1人暮らしの高齢者も多く、ボランティアの力が不可欠となっている。住宅1軒当たりの作業には最低5、6人が必要で、この一つのグループでは1日1軒の作業をするのが限界だという。7日現在、町社会福祉協議会のボランティアセンターには、泥のかき出しなどで約50件の支援要請が寄せられているが、作業への協力希望者の応募状況は同日現在、延べ90人ほど。需要に応えるには最低でもあと200人近く必要だという。

 「学生らの夏休みが終われば、希望者の人数はさらに減ると思われる。夏休み期間の今月中に作業を完了させたいが、今のままでは到底終わらない」。町社協の担当者は途方に暮れる。

町内には宿泊施設が少なく、「内陸や県外からボランティアに参加しようと思っても、足が向きにくくなっているのではないか」と町社協はみている。町によると、数少ない宿泊施設も1カ所は被災者の利用が優先されており、より宿泊場所を少なくしている。町外から訪れるための公共交通機関も電車が中心だ。

 今回の大雨では、町の南隣の酒田市も大きな被害を受け、県境を接する秋田県のにかほ市や由利本荘市なども大きな被害が出ている。町社協の担当者は「遊佐町の被害状況があまり知られていないことも要因ではないか」と話す。ボランティア関係者らは「どこの地域も人員が不足している。少しの時間でも参加してくれればとても助かる」と話した。