結婚式や会議も…広島市の新サカスタ、活用広がる 高い稼働率 試合ない日もにぎわい創出へ

AI要約

エディオンピースウイング広島で、サッカースタジアムが結婚式や会議の会場として活用されている。

施設内の会議室は企業の研修や懇親会に利用され、結婚式や写真撮影も行われている。

将来的には修学旅行生の見学や音楽コンサートの開催などさまざまな活用が検討されている。

結婚式や会議も…広島市の新サカスタ、活用広がる 高い稼働率 試合ない日もにぎわい創出へ

 開業から半年余りがたったエディオンピースウイング広島(広島市中区)で、サッカー以外の活用が広がっている。街中の好立地や新鮮さを追い風に、連日のように会議に使われているほか、結婚式の会場にもなった。課題だった試合日以外のにぎわいづくりへ、指定管理者のJ1サンフレッチェ広島は次なる一手の検討を進める。

 緑鮮やかなピッチに、白いウエディングドレスが映えた。西区の会社員、菊﨑美里さん(30)と健人さん(28)は今月半ば、スタジアムで人前結婚式を挙げた。

 サッカーの競技経験があり、サンフレのサポーター歴10年以上の美里さんがサンフレに提案した。「思い出に残る式にしたかった。いつも観戦しているスタジアムで本当に実現できて満足」。式後はスタジアム内の一室で食事会を開いた。

 サンフレによると、結婚式場となるケースはまだ珍しいが、写真の前撮りは相次いでいる。チームカラーの紫で装飾された選手更衣室での撮影が人気という。

 会議室の利用も好調だ。施設内に約60室あり、試合日とその前日以外に使える。収容人数は4~180人で、利用料金は市の条例に基づき1時間当たり600~3万3270円。サンフレ担当者は「主に企業の研修や懇親会で、可能な日はほぼ毎日利用がある」と説明する。

 企業の経営方針発表や医学の学会はスタンドやコンコースを生かし、600~800人を収容した。ヨガの体験会や子ども向けスポーツ教室なども開かれている。大型ビジョンや音響など、設備の利用申し込みもある。

 サンフレはこれらの利用料収入を得る。2033年3月までの指定管理期間中に、売店なども含めた収益から市へ12億5800万円を納める必要がある一方、指定管理料として受け取るのは計4億9900万円。市スタジアム建設部は「利用料収入をしっかりと確保できれば、きれいで使いやすい施設の維持にも力を入れてもらえるはず」と期待する。

 滑り出しは上々だが、目新しさが利用を呼び込んでいるとの見方もできる。サンフレの仙田信吾社長は「今後は修学旅行生の見学をもっと誘致したい。アーティストから要望のある音楽コンサートの開催も来年度以降の課題として研究している」と話した。