飯塚とミズノが“伴走”…3年掛かりのスパイク開発秘話 反発力得て4度目五輪「翔」べ!【6日未明予選】

AI要約

30歳を超えても進化を続ける飯塚翔太が、ミズノから新しい厚底スパイクを発表。スパイクの開発過程や飯塚の進化について詳細に説明。

飯塚は予選通過を目標に掲げ、準決勝で自己ベストを更新する強い意気込みを見せる。ミズノのクラフトマンも飯塚のサポートに自信を持って応じる。

飯塚は新しいスパイクを使い、アキレス腱や膝への負担を気にしながら跳躍系の練習を行っており、効果を感じている。

飯塚とミズノが“伴走”…3年掛かりのスパイク開発秘話 反発力得て4度目五輪「翔」べ!【6日未明予選】

 最高の相棒を携えて、花の都に乗り込んできた。5日(日本時間6日)のパリ五輪陸上男子200メートル予選で4大会連続出場する飯塚翔太(33)=ミズノ、藤枝明誠高出=の足元に、国内トップメーカーの一員として開発した「厚底」の新スパイクが光る。「コーナーで安定して軸足に体重を乗せつつ反発ももらえる」。確かな自信を胸に、まずは五輪で自身初の予選突破を目指す。

 ソールにカーボンプレートを組み込んだ長距離の厚底シューズの流れが短距離にも派生する中、後発組に回ったミズノが白羽の矢を立てたのが飯塚だった。「看板選手の彼が履けて、パリ五輪と来年の東京世界陸上で結果を残せるものを作ろうというのがスタートになった」と同社クラフトマンの亀井晶さん(54)。試作品は50~60足。出来上がるたびに飯塚に試走してもらい、プレートの硬さや曲がる位置などを試行錯誤した。3年掛かりで安定した接地と反発力を両立し、今春発売にこぎ着けた。

 新スパイクに合わせ、飯塚も30歳を超えて走りを進化させてきた。プレートを曲げて反発を得るため、「一歩一歩、大きく跳ねるように」とアキレス腱(けん)や膝への負担を考慮して控えてきた跳躍系の練習を取り入れた。昨夏の世界選手権は自己3番目の20秒27。5月の静岡国際陸上では予選で「コーナーからの加速は今までで1番だったかもしれない」という感触をつかみ、新スパイクの性能を引き出している。

 「(飯塚は)ミズノの一員という意識が高く、具体的にアドバイスをくれた。結果が出てくれれば一番うれしい」と亀井さん。飯塚も「予選突破は大前提。準決勝で自己ベスト(20秒11)を更新して勝負したい」と意気込む。