福島県楢葉町の木戸川のエビで復興発信 ふたば未来学園中の3人 生態や味まとめパンフレットに

AI要約

ふたば未来学園中の3人が楢葉町の木戸川に生息する川エビを軸にした地域活性化の取り組みを始めた。

木戸川漁協などと協力し、川エビの生態や味をまとめたパンフレットを作成して広報活動を行っている。

川エビを通じて木戸川の魅力を広く発信し、地域の復興につなげる取り組みを行っている。

福島県楢葉町の木戸川のエビで復興発信 ふたば未来学園中の3人 生態や味まとめパンフレットに

 ふたば未来学園中(福島県広野町)3年の川崎敬広さん(15)=いわき市=と新妻勇人さん(14)=広野町=、長谷川椋哉さん(14)=楢葉町=の3人は、楢葉町の木戸川に生息している川エビを軸にした地域活性化の試みを始めた。東京電力福島第1原発事故からの復興に歩む被災地の自然に触れる機会につなげ、環境回復を実感してもらう。「この夏、木戸川でエビを探してみては」と呼びかけている。

 川エビはスジエビ、ヌマエビの2種。3人は学校の「未来創造学」の中で木戸川に川エビがたくさんすんでいることを知り、学習のテーマに据えた。「木戸川エビ発信隊」を名乗り活動している。木戸川漁協などの協力を得てこれまでに川エビの生態や味をまとめたパンフレットを200部作って公共施設などに配布した。道の駅ならはでは4日まで川エビを水槽に入れて展示している。

 木戸川はサケの産地として有名だが近年は不漁が続く。3人が漁協を訪ねて現状を聞くと、原発事故後は川に親しむ人が減っていると教えられた。新しい名物で木戸川に人を呼び込めないかと考え、漁協鮭ふ化場長の鈴木謙太郎さん(42)から川エビがたくさんいると紹介されたという。

 3人は昨年9月ごろから川エビについて調べている。網で簡単に捕獲でき、素揚げにするとおいしいことから、地域活性化の素材になると確信を深めている。3人の活動のきっかけになった鈴木さんは「目を輝かせて川と向き合ってくれている」と3人の活動ぶりに目を細めている。

 3人は川エビの生息する木戸川の魅力を今後も広く発信していく考え。長谷川さんは「川エビは夏に増える。エビをきっかけに川で遊ぶ人が増え、町の復興につながったらうれしい」と話している。