紀南文館 大規模改修へ 開館40年 老朽化進む、和歌山県田辺市

AI要約

和歌山県田辺市の紀南文化会館が40年ぶりの大規模改修に着手。施設の機能性や安全性向上、バリアフリー化を目指す。

施設はコンサートホールを擁する文化イベントの中心地であり、耐震基準は満たしているものの経年劣化が進んでいる。

改修内容には舞台やホールの設備更新、バリアフリー化などが含まれ、総工費は約51億5千万円。2027年夏以降のリニューアルオープンを目指す。

紀南文館 大規模改修へ 開館40年 老朽化進む、和歌山県田辺市

 和歌山県田辺市は、開館から40年がたつ紀南文化会館(新屋敷町)の大規模改修に向け、基本構想をまとめた。経年劣化している各種設備を更新して機能性や安全性を確保するとともに、さらなるバリアフリー化を進める。2026年から工事を実施し、27年夏以降のリニューアルオープンを予定している。

 紀南文化会館は、紀南地方最大のコンサートホールがある施設。1984年に開館して以来、演奏会や発表会、講演会などさまざまな文化イベントの会場として地域住民に親しまれている。

 地上6階建て、延べ床面積1万1400平方メートル。大ホール(1224席)のほか、小ホール(450席)、展示ホール、研修室などがある。

 耐震基準は満たしているものの経年劣化が進んでおり、舞台の特殊設備など各種設備も突発的な故障のリスクを抱えているという。

 市教育委員会は昨年度、施設の劣化度調査と利用者へのニーズ調査を実施。それらの結果を踏まえた上で、基本構想をまとめた。

 改修の主な内容は、天井を耐震化するほか、舞台やホールの照明、音響設備、電気・機械設備などを更新する。大ホールの座席幅や座面の高さなどを変更し、長時間でも座りやすいようにする。

 車いす用の観覧席を新たに整備し、多目的トイレも増設。スロープの改修やエレベーターの新設も行う。外壁や内装の改修、蛍光灯のLED化などにも取り組む。

 開館以降、大規模改修を実施するのは初めて。現時点での改修費用の概算は約51億5千万円。

 本年度中に基本設計や法令調査を行い、来年9月末までに実施設計をまとめる予定。2026年4月から休館に入り、工事期間を経て、27年夏以降のリニューアルオープンを目指すという。