児童虐待の相談2192件 8年連続過去最多、和歌山県

AI要約

和歌山県の児童虐待相談件数が過去最多の2192件に増加。虐待の種別や虐待者別に関するデータも明らかに。

心理的虐待が半数以上を占める中、実母が虐待者として最も多い。小学生が最も多い被害者の年齢層。

県は虐待相談への協力を呼びかけ、疑いがある場合は児童相談所や市町村に相談するよう促している。

児童虐待の相談2192件 8年連続過去最多、和歌山県

 和歌山県は18日、2023年度中、県の児童相談所に2192件の児童虐待相談があったと発表した。前年度より126件増え、8年連続で過去最多を更新した。相談件数が増えた要因について県は「虐待が疑われた場合の通告義務の認識が浸透してきたため」としている。

 中央児童相談所(和歌山市)に前年度比70件増の1809件、紀南児童相談所(田辺市)に56件増の383件の相談が寄せられた。

 虐待の種別は「心理的虐待」が前年度より108件多い1283件で、全体の半数以上を占めた。子どもの前で、家族に暴力を振るったり怒鳴ったりといった「面前DV」が多かったという。

 食事を与えない、ひどく不潔にする、車内に放置する、重い病気になっても病院に連れて行かないといった「ネグレクト」が472件(前年度比46件増)、殴る蹴るといった「身体的虐待」が424件(14件減)、「性的虐待」が13件(14件減)だった。

 虐待者別に見た相談件数は実母が半数以上の1205件で、前年度より154件増えた。実父は873件で42件増。このほか、実父以外の父親が56件、実母以外の母親が6件などだった。

 虐待を受けた子どもの年齢層は、小学生が780人と最多で、3歳から就学前が473人、3歳未満が394人、中学生が334人、高校生などが211人だった。

 県は虐待相談について「家庭内のことなので判断は難しいかもしれないが、放置すれば大きな事件に発展する場合もある。疑いがあると感じたら、ちゅうちょせずに最寄りの児童相談所や市町村に相談してほしい」と、引き続き協力を呼びかけている。