まるで時代劇 現役で活躍する古風な井戸 「家の一番の宝」/岡山・津山市

AI要約

井上多計男さん方の庭には昔ながらの井戸があり、厳しい暑さの中でも活躍している。

井戸は明治時代に掘られ、地域の人々にとって大切な水源であった。

井戸の水は夏は冷たく、冬は温かく感じられ、災害時にも重要な存在として親しまれている。

まるで時代劇 現役で活躍する古風な井戸 「家の一番の宝」/岡山・津山市

 岡山県津山市加茂町桑原の井上多計男さん(88)方の庭に時代劇を思わせる古風な井戸がある。現役で活躍しており、厳しい暑さの中、昔ながらにつるべで水をくみ上げる様子に涼感が漂う。

 「家の一番の宝です」。井上さんによると、もともと曽祖父が明治20年ごろに掘ったもので、内部は石を積んで組んでおり、地下から水がわき続けている。

 井上さん方は桑原から上大地区へと通じる古くからの道沿いにあり、戦前、戦後にかけて地域の人や子どもたちが生活用の水をくみに来たり、通学途中の児童が水を飲みに立ち寄ったりしていたという。

 昭和34年に井戸屋形を直した。栗の木を使った木枠、つるべがある井戸は今では珍しく、趣を感じさせ、水神様もまつっている。水を使わない日はないといい、作物や植木の水やりなどで日々活用している。

 水は夏は冷たく、冬は温かく感じられるそう。井上さんと妻の小夜子さん(86)は「もし災害が発生して水道が断水しても井戸水はみんなで使うことができる。先祖が掘った井戸はありがたく、これからも大切に使いたい」と話している。