茨城・つくばの協会、追加認定 「茅葺」保存団体 文化審答申、研修や修理評価 

AI要約

国の文化審議会は、茅葺きの保存団体に日本茅葺き文化協会を追加認定するよう答申した。

茅葺きは古来から使われてきた屋根ふき技術であり、文化財の維持に欠かせない存在となっている。

日本茅葺き文化協会は茅葺きの文化と技術の継承を目的に活動し、全国で活躍する職人を抱えている。

茨城・つくばの協会、追加認定 「茅葺」保存団体 文化審答申、研修や修理評価 

国の文化審議会(島谷弘幸会長)は19日、国選定保存技術「茅葺(かやぶき)」の保存団体に、茨城県つくば市に事務局を置く「日本茅葺き文化協会」(代表理事・安藤邦廣筑波大名誉教授)を追加認定するよう盛山正仁文部科学大臣に答申した。地域的特色のある茅葺きの研修を各地で行い、技能者による修理実績などが評価された。

茅葺きは、ススキやヨシといった植物性の材料を屋根にふく技術で、古くから民家や社寺に使われてきた。戦後、建築資材としての需要が減る一方、文化財などで保存される建築物の維持には欠かせない技術になっており、文化庁は1980年に「選定保存技術」に選定。保存団体として全国社寺等屋根工事技術保存会(京都府)を認定した。

日本茅葺き文化協会は茅葺きの文化と技術の継承などを目的に2010年に発足。全国122人の職人が在籍する分科会組織を抱え、かや刈りと茅葺きの一貫した研修を全国で展開する。18年には、茅葺き材料を育成し採取する国選定保存技術「茅採取」の保存団体に認定された。

同協会を構成する職人は全国で活躍しており、岐阜県の白川郷や福島県の大内宿をはじめ、国指定重要文化財の澤井家住宅(京都府)や小林家住宅(同)など、数多くの修理工事で手腕を発揮してきた。

茅葺きで使う材料やふき方、屋根の形は「それぞれの地域に合った知恵と技が凝縮されている」(同協会事務局)という。

今回の選定について、安藤代表理事は「地域性に配慮した技能の継承と研修事業に取り組んできた。評価されたことはうれしい」とコメント。今後の目標については、さらなる技能向上と若手の職人育成を上げ、「新しい茅葺きの技術開発やデザインにも取り組みたい」とした。