夏場のキャンプで楽しんで 清内路かぼちゃのビールが完成 【長野県阿智村】

AI要約

長野県阿智村清内路の伝統野菜「清内路かぼちゃ」を使用したクラフトビールが地区内で販売開始。地域を訪れる観光客をターゲットに、商品化を企画した村集落支援員の原司さん。カボチャの味が特長のクラフトビールは、清内路伝統野菜保存会の協力で製造され、地域住民向けの試飲会も開催される。

夏場のキャンプで楽しんで  清内路かぼちゃのビールが完成  【長野県阿智村】

 長野県阿智村清内路の伝統野菜「清内路かぼちゃ」を使ったクラフトビールが完成し、地区内での販売が始まった。キャンプで村を訪れる観光客を主なターゲットに、村集落支援員の原司さん(33)が商品化を企画。新たな特産品になることを期待するとともに、信州の伝統野菜に認定されているかぼちゃを広く周知し、「継承に取り組む人たちの活躍に日の目を当てたい」と意気込む。

 伝統野菜をPRする取り組みの一つで、原さんは加工・販売にかかる経費約50万円をクラウドファンディングで集め、シードルやビールの製造を手掛ける「道」(下條村睦沢)に醸造を委託した。

 クラフトビールには、清内路伝統野菜保存会が提供したフリーズドライのカボチャを使用。330ミリリットル瓶のラベルデザインはカボチャと村が「日本一」と掲げる星空をイメージした。

 アルコール度数は6%で「清内路かぼちゃの持つ糖度とモルトの風味のバランスが良い」といい、原さんは「よく冷やして辛いものと合わせると、より甘さを感じられる」とお勧めの飲み方を紹介。「夏場のキャンプや観光など開放的な気分の時に飲んでほしい」とPRしている。

 12日夜には清内路公民館で住民向けの試飲会を開催した。約45人が集まりクラフトビールで乾杯。つまみとともに味わったり市販のビールと飲み比べた。参加者からは「飲みやすい」との声が多く上がり、近くに住む男性は「苦みがあって飲み応えもある。冬のなべにも合いそう」と語った。

 保存会の櫻井道治会長は「他地域のカボチャビールと比べて嫌みがなく非常に飲みやすい」と評価し、「若い人が積極的に発信していってくれるのはありがたいこと」と話していた。

 夏秋限定の商品として継続して販売していく考えで、1瓶850円(税込)。今回は約620本を用意し、長田屋商店とふるさと自然園せいなの森キャンプ場、里山キャンパスで取り扱っている。イベント用の10リットル樽もある。