オールシーズン飾れる「盆提灯」インテリア調小型商品 卓上仏壇増加で現在的デザイン、岐阜市・オゼキ

AI要約

オゼキは岐阜提灯を製造し、卓上仏壇に合わせた現代的なデザインの盆提灯を強化している。

住宅環境の変化に合わせて商品開発を行い、インテリア照明として通年使える商品を提案している。

輪島塗の部品供給の停止や岐阜高島屋の閉店により、販売戦略を見直し本社ショールームへの案内を強化する。

オールシーズン飾れる「盆提灯」インテリア調小型商品 卓上仏壇増加で現在的デザイン、岐阜市・オゼキ

 岐阜提灯(ちょうちん)を製造するオゼキ(岐阜市小熊町)は、マンションの家庭に多い卓上仏壇に合わせた現代的なデザインの盆提灯のラインアップを強化している。今季はインテリア照明として通年置ける斬新なデザインの商品を投入したほか、既存商品のコンパクト化を図った。床置き用の大内行灯(あんどん)が主流の中で、試行錯誤しながら時代を見据えた商品の提案に力を入れる。

 「従来は盆提灯に対する固定観念があったが、住宅環境によって少しずつ変わっている」と話すのは尾関守弘会長兼CEO(最高経営責任者)。20年ほど前から、小型仏壇に合う盆提灯を求める声が百貨店から上がり、自社で手がける世界的な彫刻家イサム・ノグチの和紙照明を盆提灯として売る動きもあり、デザインの幅を年々広げている。

 今年は発光ダイオード(LED)電飾を内部に入れたインテリア調の平らな薄型タイプのほか、仏壇の高さに合わせたスリムなタイプや木製の台座が存在感を放つ小型なタイプの商品を投入した。盆提灯のイメージを感じさせない絵柄にして、インテリア照明として年中出しておくことも提案している。

 一方、今季は能登半島地震の影響で輪島塗の職人の多くが被災し、部品の供給が止まったため、輪島塗の商品の取り扱いは一部の百貨店にとどめた。また今月末で岐阜高島屋が閉店するため、お盆に合わせて地元向けに販売する場がなくなることを受け、今後は本社ショールームへの案内に力を入れる。尾関会長は「岐阜高島屋の売り場は23日まで。今年は大々的には並べていないが、多くのお客さんに見てもらえれば」と期待を込める。