下田で高校生フォトウオーク グランプリは沼津城北高校2年の小島さん

AI要約

地元高校生らが参加する写真撮影会「高校生伊豆下田フォトウォーク2024」が下田市内で開催された。

イベントでは生徒たちが下田の風景を撮影し、写真文化に貢献することを目的としている。

参加者たちはアナログなカメラを使い、下田の歴史ある町並みや自然を切り取りながら楽しんだ。

下田で高校生フォトウオーク グランプリは沼津城北高校2年の小島さん

 地元高校生らが参加する写真撮影会「高校生伊豆下田フォトウォーク2024」が6月22日、あじさい祭でにぎわう下田公園(下田市三丁目)を中心とする下田市旧町内エリアで開かれた。主催は静岡県東部高等学校写真連盟。下田商工会議所が共催した。(伊豆下田経済新聞)

 同イベントは、日本の商業写真の開祖・下岡蓮杖の生誕地である下田に高校写真部の生徒たちに開国史の情緒が残り自然も豊かな下田市内の様子を撮影してもらい、その魅力を発信することと、地域の写真文化に寄与することを目的に開いている。

 趣旨に賛同したニコンイメージングジャパン(東京都港区)の協力で、希望者にはレトロなフォルムのミラーレス一眼カメラ「Nikon Zfc」を貸し出し、古い町並みをアナログな操作で撮影できる機会を提供した。

 当日は地元の下田高校の生徒たちに加え、隣町の稲取高校(東伊豆町)、さらに沼津城北高校(沼津市)の写真部の生徒たちと教員を合わせた15人が参加。個人コンテスト形式で、審査委員長には国内で広く活動する写真家の尾嶝太(おさこ・ふとし)さんを招いた。SNSで下田の発信を続けている有志団体「下田写真部」のメンバーや、伊豆在住の写真関係者たちが参加者をサポートした。

 生徒たちは中央公民館(四丁目)でレクチャーを受けた後、関係者に誘導されてフォトウオークを開始。日米和親条約が結ばれた了仙寺をスタートし、ペリーロードで昔ながらの建物や石畳の道、橋などの風情を撮影しながら、日本一の株数を誇るアジサイがピークを迎える下田公園へ向かった。思い思いのモチーフにカメラを向け、シャッターを切った。

 その後、参加者たちは下田公園内にある下岡蓮杖慰霊碑前で集合写真を撮影。会の後半は下田港付近に移動し、停泊する船など港の情緒を撮影しながら街の中へと入り、下田まち遺産であるなまこ壁の建物「雑忠(さいちゅう)」で開催されていた地元アーティストたちによる「あじさい開国てづくり市」を見学しながら撮影した。

 中央公民館へ戻った高校生たちは各人のベストショットを選び、用意されたプリンターで印刷して審査会に臨んだ。審査は参加者も含めた全員で行い、審査委員長の尾嶝さんが選んだ上位3作品と参加者たちが選んだオーディエンス賞には、同連盟と下田市観光協会から記念品を贈った。

 グランプリを受賞した沼津城北高校2年生の小島瑞葵(みずき)さんは「下田の町は自分が住んでいる町よりもきれいだった」と感想を話した。審査委員長を務めた尾嶝さんは「下田高校に地の利はあるが、他校の生徒たちの新鮮な視点も面白かった。一人一人の個性ある素直な感性を大切に、楽しく撮り続けていってほしい」と講評した。

 下田高校写真部顧問で同連盟の事務局も務める遠藤覚(さとる)教諭は「連盟としては5年ぶりの撮り歩き。さまざまな出会いと再会に支えられ開催できた。来年以降も継続し、下田を全国の高校写真部が集まる『写真のまち』にしたい」と意気込みを見せる。