熊本市の元町議殺害事件「みんな不安だった」…容疑者逮捕に住民ら安堵、改めて冥福祈る

AI要約

熊本市南区の住宅で元町議の中村尊徳さんが殺害され、容疑者2人が逮捕された。現場周辺の住民は安堵し、事件から3年が経ち真相解明を願う。

事件前は治安の良い場所だったが、不安が広がり、シャッターを閉めるほどに。捜査員に感謝の声も。

逮捕により安心感を覚えつつも、中村さんを偲び、話せる相手の喪失を悼む住民も。

 熊本市南区の住宅で旧城南町の元町議、中村尊徳さん(当時74歳)が殺害された事件で容疑者の男2人が逮捕された30日、現場周辺の住民からは安堵の声が漏れた。事件発生から3年が過ぎ、真相解明を求め、改めて中村さんの冥福を祈った。(高城琴音、石原圭介)

 現場周辺は日中の交通量は多いが、夜は車もあまり通らなくなる。街灯は少なく、人目にもつきにくい。

 近くに住む70歳代の女性は、「事件前は治安の良い場所だったのに。事件後は不安でシャッターを閉めるようになった」と語る。

 強盗殺人容疑などで容疑者が逮捕されたことに、「捜査員の方には感謝しかありません」とほっとした表情を浮かべる一方、「(中村さんは)突然命をなくし、一番無念だったろう」と思いやった。

 70歳代の男性は、「みんな不安だった。逮捕されて安心した」と話す。中村さんとは名前で呼び合う仲で、事件前日も一緒に釣りに行ったという。「あの日は何も釣れんかったなあ」と当時を思い返し、「何でも話せる相手がいなくなってしまった」と肩を落とした。

 県警は捜査に支障が出るとして容疑者2人の認否を明らかにしていない。中村さんとの面識はなかったとされるが、殺害方法や動機もわかっていない。男性は「なぜあの家だったのか、どうして殺したのかを聞きたい」と訴えた。

 別の70歳代の男性は、「事件のことは考えないように、話題にしないようにしてきた。ひとまず逮捕されて良かったが、この3年は長かった」と振り返った。