鈴木鎮一ら演奏「源氏物語」 大河ドラマで注目なるか 長野県松本市

AI要約

音楽教育スズキ・メソード創始者の鈴木鎮一と、その兄弟による弦楽四重奏の演奏を録音したCD「鈴木クワルテットの遺産」には、組曲「源氏物語」が収録されている。

組曲はソプラノ、テノールと弦楽四重奏による「交声曲」で構成され、5つの曲から成り立っており、歌人・与謝野晶子の朗読も含まれている。

CDは70年ぶりに再収録され、源氏物語の千年紀にリリースされ、兄弟のアンサンブルの高い精度が披露されている。

鈴木鎮一ら演奏「源氏物語」 大河ドラマで注目なるか 長野県松本市

 音楽教育スズキ・メソード創始者の鈴木鎮一と、その兄弟による弦楽四重奏の演奏を録音したCD「鈴木クワルテットの遺産」の中に、組曲「源氏物語」がある。鈴木鎮一の弟でチェロ奏者の二三雄が、昭和5(1930)年ころに作曲した。NHK大河ドラマ「光る君へ」の放送で紫式部と源氏物語の関心が高まっており、長野県松本市旭2の鈴木鎮一記念館は、再びこのCDが注目されることを期待している。

 組曲はソプラノ、テノールと弦楽四重奏による「交声曲」で、序曲、藤壺、小雀前奏曲、小雀、若草の5曲で構成される。序曲には、明治から昭和初期にかけて活躍した歌人・与謝野晶子(1878~1942)の朗読も吹き込まれており、歴史的にも貴重な音源といえる。

 CDは金属原盤の音源を再収録し、演奏が録音されて70年、鈴木鎮一生誕110年だった平成20(2008)年に発売された。リリース枚数が少なく、知る人ぞ知るCDだ。この年は源氏物語の千年紀に当たり、収録の主要曲として扱われている。ハイドン「セレナーデ」やチャイコフスキー「アンダンテ・カンタービレ」などの小品も収録され、兄弟ならではの精度の高いアンサンブルを披露している。

 鈴木鎮一記念館ではこのCDを聴くことができる。副館長の等々力由季子さんは「この機会に組曲の存在を多くの人に知ってもらいたい。演奏を聴いて源氏物語の世界に思いをはせてもらえたらうれしい」と話している。