北前船ゆかりの地 交流拡大を 釧路で寄港地フォーラム前夜祭

AI要約

北前船の歴史と地域のつながりにスポットを当てた第34回北前船寄港地フォーラムinひがし北海道・くしろの前夜祭が開催された。式典では日本遺産の追加認定や交流会が行われ、参加者は海の絆を確かめ合った。

北前船は昆布や魚肥などを国内全体に運んでいた。フォーラムは2007年から開催されており、北前船交流拡大機構と地元実行委員会により主催されている。

29日のフォーラムでは鼎談やトークセッション、パネルディスカッションなどが予定されており、地域連携研究所大会も行われる。

北前船ゆかりの地 交流拡大を 釧路で寄港地フォーラム前夜祭

 北海道の道東初開催となる、「北前船」ゆかりの地などが交流する、第34回北前船寄港地フォーラムinひがし北海道・くしろ(実行委員長・蝦名大也釧路市長)の前夜祭が29日、釧路市観光国際交流センターで開かれ、全国各地の自治体首長など約380人が集結した。式典では日本遺産の「北前船寄港地・船主集落」の追加認定式が行われたほか、釧路、根室のグルメを楽しみながらの全国交流会も行われ、参加者が時空を超えた海の絆を確かめ合った。フォーラムは29日午後1時から行われる。

 北前船は江戸時代から明治時代にかけて国内の交易で活躍し、釧路、根室地域からは昆布や魚肥などを全国各地へ運んだ。フォーラムは、自治体や企業で構成する北前船交流拡大機構と開催地などによる実行委員会が主催し、2007年から開いている。前夜祭は釧路町産の15㍍のサオマエコンブを使ったテープカット「コンブカット」で幕開け。開会式で実行委員長の蝦名市長は「北前船の歴史と地域のつながりにスポットを当てることは、ゆかりある土地の住民が地域への愛着や自信を抱くことにつながる。全国、全世界からの参加者を歓迎するとともに、フォーラムで素晴らしい時間を過ごせることを期待している」とあいさつした。

 式典では、日本遺産「北前船寄港地・船主集落」の追加認定が行われ、新潟県村上市、福井県美浜町、岡山県岡山市の首長や商工会議所会頭に、文化庁の合田哲雄次長から認定証が授与された。また、大会記念オブジェとして、1980万円をかけて製作された黄金のシマフクロウも披露された。交流会では釧路短期大学臨床栄養学ゼミの学生が考案した「ブリのネギ昆布ソース」やエゾ鹿カレー、釧路名物の勝手丼などが振る舞われ、参加者は釧根の食の恵みを味わいながら交流を深めた。

 29日のフォーラムでは、浜中漁協の山崎貞夫組合長と高級コンブ専門店の奥井海生堂(福井県)の奥井隆社長、釧路町の小松茂町長による鼎談「昆布物語総集編」、トークセッションとして「高田屋嘉兵衛を通じて北前船船主の大きな役割を探る」を、パネルディスカッションとして「アドベンチャートラベル(AT)の聖地~JR(ジモレール)を利用した格別な体験へのご招待」を行う。時間は午後1時~同5時まで。また、同日午前9時~正午まで、同会場で地域連携研究所大会も行われ、楽天グループの三木谷浩史社長の特別講演などが行われる。