チョイソコ 初年度の日平均は19・9人 松川町新デマンド交通 徐々に浸透【長野県】

AI要約

長野県松川町では、昨年度に始まったデマンド交通システム「チョイソコまつかわ」の利用状況がまとめられた。期待外れの結果もあったが、新たな取り組みで利用者数の増加を目指している。

路線バスの利用者減少によりデマンド交通の導入が決定され、利用者数は徐々に増加。特に高齢者や交通弱者向けのサービスとして位置付けられている。

今後は運賃改定や特定の利用層へのサービス提供など、さらなる利用促進策が計画されている。

 長野県松川町は昨年4月に運行を開始した自動配車システムによるデマンド交通「チョイソコまつかわ」の2023年度利用状況をまとめた。利用者数は4894人、1日あたりの平均利用者数は19・9人で、当初の想定(20人)通りとなった一方、目標とした28・8人は下回る結果となった。

 町は22年度まで7路線で定時路線バスを運行してきたが、利用者の減少や運行コストの増加などを背景に見直しを行い、利用者の多い朝夕の通学便3路線を除く4路線を廃止。高齢者や交通弱者の日常生活における移動手段を確保するため、新たにデマンド交通を導入した。

 運行開始後3カ月間の利用者数は1日平均15人余と思うように伸びない状況が続いたが、利用促進キャンペーンの実施などにより7月以降は徐々に増加。65歳以上の運転免許返納者に回数券を交付するなどの取り組みもあり、今年3月は26・3人まで増加した。

 22年度の7路線の利用者数は2万9878人。23年度は通学便3路線とチョイソコを合わせて2万9808人で、コミュニティーバス全体の利用者数はほぼ横ばいとなった。

 本年度はチョイソコの利用者数の目標を前年度比1000人増と設定。運賃の改定を行い、小中高生を対象とするこども運賃を設定した他、子どもや子育て世代向けの利用促進策として、「チョイソコ通信スクール版」の発行や保育園行事などでの活用、定時路線対応できないニーズの発掘などに取り組む。また、昨年度に試験実施した運転免許返納者への回数券交付を本格導入する。