映画館ない地域にミニシアター、出身者がスクリーン寄贈 岐阜・高山市のスキー場

AI要約

岐阜県高山市の市民スキー場「モンデウスパーク」が無料で映画鑑賞が楽しめる「モンデウスシアター」をオープンした。大型スクリーンでの映画上映やポップコーンの販売など映画館気分を味わえる施設で、市民から好評を得ている。

過去には映画館が閉館し、映画鑑賞の場が不足していた高山市にとって、市民の声に応える形で開設された。アニメや映画など幅広いジャンルの作品を楽しめ、今後は市図書館の映像作品も上映予定である。

映画プロデューサー益田祐美子さんの寄贈により実現した「モンデウスシアター」では、市長からの感謝状を受け取るなど、将来的には映画関連イベントも展開する意向がある。

映画館ない地域にミニシアター、出身者がスクリーン寄贈 岐阜・高山市のスキー場

 岐阜県高山市は今月、市民スキー場「モンデウスパーク」に無料で映画鑑賞が楽しめる「モンデウスシアター」をオープンした。毎週土曜、日曜日、祝日に180インチ(横4メートル、縦2・3メートル)の大型スクリーンで上映し、観客はポップコーンなどを食べながら映画館気分を味わえる。市にスクリーンを寄贈した同市出身の映画プロデューサー益田祐美子さん(63)=東京都=は「アクションやホラー、アニメなど多彩な映画を親子で楽しめる場になれば」と話す。

 飛騨地域には、2014年に同市三福寺町の「高山旭座」が閉館されたのを最後に映画館がない。22年から、益田さんの企画で本町の伝統芸能劇場「でこなる座」で月1回映画を上映してきたが、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で劇場も昨年3月に退店。その後も、益田さんの元には「気軽に映画を見られる場がほしい」という市民の声が寄せられていた。

 益田さんは本格的な映像が楽しめる大型スクリーンを市に寄贈。市はスクリーンをモンデウスパーク内の会議室に設置し、全100席のミニシアターにリニューアルした。

 8日は、子ども向けのアニメ「トムとジェリー」や「最高の人生のつくり方」など3本を上映。この日からポップコーンとドリンクのセット(600円)の販売も始めた。3人の子どもを連れて訪れた女性(37)=同市丹生川町=は「今はサブスクでいろんな作品が見られる時代だけど、大画面で映画を見ると自宅とは違った気分が味わえて良い。また遊びに来たい」と話していた。モンデウスパークでは、今後も市図書館が所蔵する映像作品を週替わりで上映する予定で、担当者は「リクエストにも応えていきたい」と話す。

 益田さんには田中明市長から感謝状が贈られた。益田さんは「映画監督や俳優を呼んでトークイベントなども企画していきたい」と意欲を語った。