アメリカの島に立つ築20年の家をリノベーション。家族のための快適な家とは?

AI要約

デザイナーのマイケル・エリソンが手がけた、ナンタケット島の邸宅のリノベーションプロジェクト。

過去の家具を活用し、家族が集う快適な空間を創り出すエリソンの手腕。

家族を一つにするための場所を作り上げた結果、家主一家は理想の生活空間を手に入れた。

アメリカの島に立つ築20年の家をリノベーション。家族のための快適な家とは?

「誰もこの家に手を加えたがりませんでした。僕を除いてね!」とデザイナーのマイケル・エリソンはいいます。この家というのは、ナンタケット島に立つ築20年の邸宅です。

マサチューセッツ州ケープ・コッドの南方に位置する同島は、アメリカ有数のリゾート地。エリソンは、10代の息子2人を育てる夫妻に、この家の購入を勧めたのです。

「この界隈の人々は元の家を壊して、もっと大きくオープンな家を建てたがります」。けれど、彼には自信がありました。時代遅れの要素を取り除けば、既存の広さで家族が集う親密な空間をつくれることを知っていたのです。

それはまさに、数年の間、現代的なオープンプランの邸宅に住んでいた一家が、欲していたものでした。

表面的な手直しとスタイリングだけでこの家を生まれ変わらせることができると家主を説得したエリソンは、自身が「新たなナンタケット」と呼ぶプロジェクトに取り掛かりました。

リノベーションの際に求められたのは、家の構造となる部分を守り、それから一家がすでに所有していた家具を使うことでした。

そのひとつが、幅が2.5m近くあるソファ。どうしても今回の新居には入りそうもなく、悩んだエリソンはこれを改造することにしました。

ソファを半分にカットし、間にシートを加え、巨大なセクショナルソファとして生まれ変わらせたのです。その効果は抜群。

流れるようなモダンなフォルムによって、快適に会話を楽しむためのエリアが生まれ、窓からの眺めを邪魔することなく4脚のチェア(そしてスツールとしても使える2つのオットマン)を自然にレイアウトすることができました。

エリソンは、こうした"パブリックな"エリアのほかに、家族が気兼ねなく利用できる部屋も用意。

メインフロアに配置されていたものの、それまで使われていなかった場所にタフティングが特徴的なベルベッド地のソファやバレルチェア、それからオーバーサイズのテーブルランプといった、家主一家が以前の家で使用していたアイテムをレイアウトし、彼らのお気に入りでもあるグレー系のカラーを壁に塗り、心地よいプライベートルームを完成させました。

今では、家族の時間を過ごすためのスポットになったようです。

リゾート地にふさわしく外壁を整え、プールやダブルサイズのパーゴラを整備し、それからガレージを改築したプールキャビンを設えるなど、屋外空間は大胆に姿を変えましたが、家主一家が何より求めていたのは、家族を1つにするための場所。

そして、彼らは見事にそれを手にしたのです。

それでは、リノベーションを終えた邸宅を見ていきましょう。