中国発「マーラータン」ブームの仕掛け人となった石神秀幸、驚きの「こだわり抜かれた1杯」

AI要約

日本発のチェーン店『七宝麻辣湯』は、清潔で洗練された店内と独自の味わいで人気を集めている。

麻辣湯の楽しみは、自分で具材を選び、スープと一緒に煮込まれること。石神秀幸さんが仕掛け人として知られている。

トッピングの中でも『フータマ』『めかぶ』『かいわれ』がおすすめで、それぞれの特徴や味わいが楽しめる。

中国発「マーラータン」ブームの仕掛け人となった石神秀幸、驚きの「こだわり抜かれた1杯」

 いま注目を集める中国グルメ「麻辣湯」をご存じだろうか。

 「1人用の火鍋」ともいえる料理で、自分で選んだ好きな具材と麺が、麻辣スープで一緒に煮込まれて、丼で提供される。『楊国福マーラータン』や『張亮麻辣湯(燙)』といった中国現地チェーン店も日本に多く進出しているなか、女性を中心に人気を集めている日本生まれのチェーン店がある。『七宝麻辣湯』(以下、チーパオ)だ。

 綺麗で清潔感あふれる店内、スープはあっさりと洗練された唯一無二の味わいで、思わず虜になってしまうような美味しさだ。その仕掛け人こそ、ラーメン評論家としてもメディアに多く登場していた石神秀幸さんなのである。

 記事前編は「ハマる人が続出…中国発『マーラータン』を日本に持ちこんだ『意外な人物』がその秘史を明かす」から。

 ここ数年は「ガチ中華」ブームで、若い女性客も増え、お昼時などには店舗に行列も見られるようになっているが、その変化をどのように感じているのだろうか。

 「もともと圧倒的に女性客が多いので、その辺りは大きくは変わらないです。ここ数年のブームで麻辣湯を出すお店が東京に増えたなとは思いますけどね。

 うちは薬膳スープ春雨とはっきり打ち出していて、男性は薬膳というだけで敬遠される方も多いです。そうした男性の方などを中心に知らない方はまだまだ多いので、伸びしろは感じています」

 具材を自由に選べる、というのが麻辣湯の楽しみのうちのひとつである。石神さんが特におすすめするトッピングは「フータマ」と「めかぶ」「かいわれ」だという。「フー玉」は正式には「油面筋(ようめんじん)」と言い、丸く揚げた生麩のようなものである。噛むとジュワッとするほどにスープが染みこみ、油のコクがスープとよく合う。分かりやすさのために「フータマ」と名付けて店に置いたところ、そのネーミングを使用するお店が増えた。

 「めかぶ」は他のお店にはあまりない、チーパオオリジナルのトッピングだが、キレのあるスープに優しいとろみが加わって、口の中を薬膳の香りで満たしてくれる。「カイワレ」はそのまま、生のまま乗せるのがポイントだそう。

 「ラーメンのネギトッピングとかだと、ごま油やラー油で和えるものも多いと思うんですけど、『カイワレ』は何も味をつけずに生のまま乗せるのが引き算的な良さがあって最高でした。唐辛子とはまた違う傾向のカイワレの辛味が爽やかにマッチします」