動物園のパンダがカメラの死角で「かくれんぼ」でも飼育員さんを見つけると、つい出てきちゃうんです

AI要約

神戸市立王子動物園のジャイアントパンダ「タンタン」は、ユニークなフォルムと愛らしい姿で親しまれ、神戸のお嬢様と呼ばれていた。2024年3月31日に28歳で虹の橋を渡り、多くの人々に愛された存在だった。

タンタンは、飼育員とのかくれんぼを楽しむ姿や園内での影絵イベントなど、様々な場面で愛されていた。タンタン座りと呼ばれる独自の姿勢や様々なエンリッチメント活動も特徴的だった。

竹やタケノコ探しを楽しむタンタンの日常や、食事のバランスに気を配る飼育員の姿など、愛らしいお嬢様の生活の一端を垣間見ることができる。

動物園のパンダがカメラの死角で「かくれんぼ」でも飼育員さんを見つけると、つい出てきちゃうんです

 ちょっと短めのおみ足にまるいボディ。唯一無二のフォルムを持つ、神戸市立王子動物園のメスのジャイアントパンダ「タンタン(旦旦)」。そのかわいい姿と優雅な所作から、親しみを込めて、“神戸のお嬢様”とも呼ばれています。

 2021年に心臓疾患が見つかり、治療を続けていたタンタンですが、2024年3月31日に虹の橋を渡りました。国内最高齢の28歳でした。いつでも笑顔をくれた神戸のお嬢様・タンタンをしのび、在りし日の日常を振り返りながらお伝えします。

 タンタンがキュートなかくれんぼを見せてくれたのは、19回目(https://gendai.media/articles/-/81248)。このときは竹がお気に入りだったようで、やぐらの上でモリモリと食べていました。屋外でのタンタンのようすは飼育員さんが監視カメラで確認しているのですが、たまにカメラの死角に“かくれんぼ”してしまうことも。

 姿が見当たらないときは、飼育員さんが外まで目視で確認に行きます。「いないと思ったら、ここかモートに降りていますね」と話すのは、飼育員の梅元良次さん。“ここ”とは、出入口近くのしげみ。ここか、観覧通路との間にあるモート(溝)にいるのだそうです。梅元さんの姿を見つけると、何かもらえると思ってすぐに出てくるのだとか。飼育員さんとのかくれんぼ、楽しいですか? お嬢様。

 この回は、園内の“かくれタンタン”もご紹介。タンタンの帰国が決まって、何かしてあげたいと、3名の飼育員さんが作ったという、かくれタンタン。小ザル舎横の階段に設置されたアクリル板で、時間によって影絵が出現します。季節やイベントごとに絵柄が変わるのもお楽しみ。絵柄が変わったときなどは、園の公式Xでも告知されているので、みなさんもよくご存じかもしれませんね。

 桜が咲き始めた2021年3月下旬。休園日にタケノコ探しを楽しんだのは、20回目(https://gendai.media/articles/-/81511)の頃です。このタケノコ探しも、野生化での行動を引き出すエンリッチメントのひとつ。竹に比べてやわらかいタケノコは、歯の摩耗を防ぐ上に、栄養価も高いため、高齢のタンタンには欠かせない食材なのです。

 「タケノコは竹に比べて水分が多く、便がゆるくなる傾向があります。タンタンの体調的には問題ないのですが、一応、竹とタケノコの両方をバランス良く食べさせるようにしています」と、話す梅元さん。主食は竹ですが、どちらもたくさん食べていただきたいところですね。

 お嬢様オリジナルの“タンタン座り”もご紹介。梅元さんいわく「タンタンは、他のパンダのような“パンダ座り”ができないんです」。タンタンは、胴や手足がみじか……控えめなため、お尻部分を地面に付け、足をぴょこんと出した、オリジナルのタンタン座りになってしまうのです。ただ、この姿勢で長時間いるのは疲れるため、木やタイヤにもたれることも。いつも器用にもたれているなと思ったら、そういうことだったんですね……お嬢様。