若者のディズニー離れが進む 10~30代の利用者は約10%減 TDR知識王が語る分岐点「大人料金が1万円を超えた時」

AI要約

東京ディズニーリゾート(TDR)を訪れる18歳~39歳の割合が減少しており、来園者数は増加しているものの若年層の割合が低下している。

チケット代の高騰や年間パスポートの廃止などが若者のディズニー離れを加速させており、40歳以上の来園者比率が伸びている。

吉田よしかさんによると、チケット代の高騰が主な要因で若年層がTDRへの訪問頻度を減らしているという。

若者のディズニー離れが進む 10~30代の利用者は約10%減 TDR知識王が語る分岐点「大人料金が1万円を超えた時」

 東京ディズニーリゾート(TDR)を訪れる18歳~39歳の割合が減っている。

 1983年4月15日に東京ディズニーランド、2001年9月4日に東京ディズニーシーがオープンしたTDR。コロナ禍が明け、海外客も取り込んだ結果、23年は来園者数こそ2750.7万人と過去最高だった18年(3255.8万人)には届かなかったものの、24年3月期に発表された売上高は6184億円、純利益は1202億円と過去最高益をマークしている。

 過去最高収益の理由の1つに挙げられるのがチケット代の上昇だ。

「大人料金(18歳以上)のワンデーパスポートは、04年に5500円(税込・以下同)だったものが14年には6200円、19年には7500円にまで上昇。24年は入場日によってチケットの金額が7900円~1万900円と6段階で異なる料金システムが採用されています。今や1万円前後にまで上昇したTDRのチケット価格。ゲスト1人当たりがTDRで使う費用も平均1万6644円と、こちらも過去最高となっています」(エンタメ誌記者)

 さて年代別来園比率に目を向けてみると、18歳~39歳の割合は23年度で41%。コロナ禍前が50%ほどで推移していたことを考えるとたしかにかなりの低下で、18歳未満の来園比率も微減ながら割合を下げている。一方で20%程度だったのが今や30%超えと着実に伸長しているのは、40歳以上の来園者比率だ。

 チケット代の高価格化、年間パスポートの廃止(20年9月)など、“若者のディズニー離れ”は複合的な要因が絡み合いそうだが、現地では実際に客層の変化を感じるのか――。弊サイトは東京ディズニーランド開園以来、現在まで40年に渡ってパークに足を運び続けているディズニー通で、『東京ディズニーリゾート知識王No.1決定戦』(日本テレビ)優勝経験もある吉田よしかさんに、話を聞いた。

 若者来園者の間で進むディズニー離れ。前出の吉田さんは、「やはりチケット代の高騰による離脱は大きい」と話す。

「年間パスポートが20年に廃止されてから4年程経ちますが、年パスがなくなったことで、違うところに目を向けるようになったファンも多いと聞きます。特に若年層の場合、スマホ代などをはじめTDR(東京ディズニーリゾート)以外にももっと他にお金を使いたいことがたくさんありますし、一度、金銭的理由や頻繁に通えていた要因であるツールの廃止などで足を運ぶ機会が少なくなってくると、過去のような頻度でリゾートに通うことはなかなか難しいと思われます」(吉田さん)

 何十年もTDRに通う吉田さん。徐々に値上がりする歴史を誰よりも実感しているそうだが、さすがに「大人料金が1万円を超えた時」以来、客層の変化を強く感じているという。

「今まで1番金銭的に“きついな”と感じたのは、大人料金で1万円を超える日が出てくるようになってからですね。やっぱりチケット代1万円の壁は大きいです。子供料金の価格上昇の影響もあって、以前より明らかに小さなお子様を連れたファミリー層が減ってきているようにも感じます」(前同)

 現在、中人(中学・高校生/12~17歳)は6600円~9000円、小人(幼児・小学生/4~11歳)は4700円~5600円。幼稚園児や小学生で、20年前の大人のチケット代(5500円)と同程度の価格帯になっているのだ。

「たとえば3連休の真ん中である9月15日の料金を見てみると、大人1万900円、中人9000円、小人5600円です。夫婦2人、小学生以下の子供2人という家族なら、チケット代だけで3万円超え。

 食事に関しては、パーク内のテーブルサービスレストランで食事しようとすると1人1食2000~3000円ぐらいが平均です。おやつなどでチュロスやポップコーンを食べる、ジュースを飲む、お土産を購入するなどしていると、4人家族で足を運んだ場合、交通費なども含むと一日の合計金額が10万円近くかかってくる場合もあります。

 そうなると、今までのように“ちょっと行ってみようか”と、気軽にお出かけできる雰囲気ではなくなりますよね」(同)