投資家が歓迎するのは? 自民党総裁選を「先読み」「裏読み」する【シニアのためのマネー講座】

AI要約

株式市場は次の首相候補に注目しており、投資家たちはその誰かによって株価が左右される可能性がある。

主に財政緊縮派と財政拡張派に注目が集まっており、財政拡張論者が当選すれば株式市場は好感を持つが、財政緊縮派が当選すれば懸念が広がる。

自民党総裁選では投票結果が市場に影響を及ぼす可能性があり、それに伴って関連銘柄の動向も注目される。

投資家が歓迎するのは? 自民党総裁選を「先読み」「裏読み」する【シニアのためのマネー講座】

【シニアのためのマネー講座】#110

「次の首相は誰か?」

 株式市場はこの話題で持ち切りだ。小泉・石破・河野の小石河?若手のコバホーク、ベテランの茂木、上川、野田の女性陣も黙ってはいない。いったい誰になるのか?

 投資家たちは、その先を見ている。首相の掲げる政策が、株式相場を大きく左右するからだ。

 財政緊縮派? それとも財政拡張派? どちらになるかで運命は大きく変わる。

 投資家が期待しているのは、財政拡張論者である。候補者で言えば、代表格は高市早苗氏。いわゆる「アベノミクス」の継承者であり、積極的な金融緩和、財政拡張を主張している。企業の増益や成長を促し、税収アップで国全体を盛り上げようとしている。もし、当選すれば、史上初の女性首相誕生となる。

 逆に財政緊縮派であれば、株式市場は当然のように身構える。

「いつ増税が来るか分からない」

「財務省とべったりの人だったら、こういった展開もあるかも……」などと恐れているのだ。

 財務省出身の候補者、元財務大臣が推す候補者etc、これらに対してはある意味、アレルギー反応を起こすかもしれない。株価が下落することで、新首相に「ノー」を突きつけるのだ。

■滝クリ関連が物色される?

 その一方、自民党総裁選というのは、1回目の投票で過半数に届かなければ、上位2人で決選投票が行われるルール。そのとき「敗者連合」が成立し、「最初の投票で2位だった人が当選」という逆転劇もあり得る。場合によっては、死んだふりをした「旧岸田派」の動きがキーとなるかもしれない。

 だから、投資家たちは、これら票の行方を先読み、そして裏読みする。「結果的に誰が勝つのか」をいち早く予想し、「買い」か「売り」かに賭けるのである。

 だから、投開票日の9月27日の前後には、各種の思惑が交錯。相場が大荒れとなるかもしれない。

 小泉氏が勝てば環境関連株。石破氏が勝てば軍事・鉄道関連株、河野氏ならば原発再稼働で電力株などなど。話に尾ひれ背びれがついて、トンデモ関連株も物色されるだろう。

「んっ? 滝川クリステル関連?」

 果たしてそんな銘柄が存在するのか。でも、もし見つかれば、今のうちに買っておくのも手かもしれない。きっと良い「お・も・て・な・し」をしてくれることだろう。

(黒岩泰/株式アナリスト)