【小田切ヒロ】秋におすすめ！ ヒロ流ブラウンリップのテクニックを伝授

ブラウンリップのバリエーションが多彩な秋。どんなカラーをどんなふうにまとえばモードな顔つきになれる？ そんな読者からの質問に最旬テクニックの提案でアンサー。技巧を凝らしたリップを主役にイットフェイスを手に入れて。

ヒロ　リアルタイムで夏がスタートしたら、ファッショニスタの季節はもう「秋」。まだまだ暑い日が続くけど、次の季節を意識したメイクアップをスタートしていただきたい。じゃあどのパーツから？ というとやっぱり、リップなんですよね。

――このところ素敵なブラウンリップが押し寄せてきているイメージです。

ヒロ　まったくもって同感！ でも以前のように運命の一本を見つけてカジュアルに塗るんじゃなく、今はテクニカルに魅せるのが断然おしゃれ。モードな顔つきをつくるために欠かせないんです。少し前にもこの連載でリップコンボをご紹介したと思うんですけど、今回はその最新！ 韓国でも大ブレイク中のダブルリップをお届けしたいと思います。

――今日のヒロさんのリップですよね。さりげないけど可愛い！

ヒロ　そうよ～！ こちらのメイクアップ、リップスティックとクリームタイプのブロンザーというテクスチャーの異なる二つのアイテムをレイヤードすることで、夏の余韻を感じながら秋を待ち侘びる、情緒のある唇を体現しております。

まず初めに手にとっていただきたいのがトム フォード ビューティの「スリム リップ カラー シャイン 100」（1）でございます。こちらなんですけど、まずビジュアルがよくない？ スリムなボディで、リップスティックなんだけど新しいアクセサリーを手に入れたような気分になる。この時点で、気分がアガります。カラーもベージュっぽいブラウンでちょっとだけ赤みがあって、すごくスマートな印象。秋らしさがありつつも軽やかさがあるから、暑い日にもピッタリなんです。こちらをまずカジュアルに唇全体に直塗りしていきます。

今までだったらここでフィニッシュしていたけれど、プラスワンテクニック！ 投入するのはこちら。ベアミネラルの「CR ブロンザー キス オブ モーヴ」（2）。その名の通りブロンザーだから、本来影になってくれる色なの。でも、シェードカラーでありながら憂いのあるモーヴのニュアンスをはらんでいるのがポイント。肌に溶け込むようになじみながらシックなツヤ感を演出してくれるところが秀逸なの。ほどよく血色感をもたらすトーンだから、顔色を沈ませすぎないところもいいんですよね。いったん手の甲に少しだけ取り出してから、薬指の腹にちょんちょんとなじませて、そのまま唇の輪郭のアウトラインをスーッとなぞっていきます。そのままトントンとタッチしてラフにぼかしてください。

――うわ！ ヘルシーで立体感もあって、唇が一気に洗練された気がします。

ヒロ　素敵よ。ベアミネラルのブロンザー（2）が影色なのに口の周りでちょっと光って、リップスティック（1）の存在感を際立たせてくれるんですよね。

――大人になるにつれ、唇を光らせるのがなんだかこっぱずかしくなってきたんですけど、ツヤリップを塗りたい気持ちも心のどこかにあって……。

ヒロ　これなら、その欲望も満たすことができて、いいでしょ？ それから、ちょっとだけ、切なさも帯びてない？ キスをしそびれちゃった感じ。キスしちゃったら、このツヤはすぐにどこかに消えてしまうでしょ？ でも、キスできなかったとしても、最後の「福」がツヤとしてこのリップメイクに宿るんですよね。

――おしゃれは死守できないけどキスしてしまうか、キスを諦めておしゃれを攻めるか。究極の二択というわけですね（笑）。

ヒロ　裏を返せば、恋をしててもしてなくても、メイクアップはいつだってみんなにパワーをくれるとも言えるわね！