倉田真由美さん「ふいに撮った夫の動画は大事な遺産。でも撮っておきたかったシーンは残っていない」

AI要約

漫画家の倉田真由美さんは夫の死から半年経ち、彼との思い出について懐かしみながら涙する日々を送っている。

夫で映画プロデューサーの叶井俊太郎さんが残した動画にまつわるエピソードが彼女の心を揺さぶる。

倉田真由美さんは、夫との生活や思い出を描いたコミックを通じて、動画撮影の重要性や大切な人との時間を大切にするメッセージを伝えている。

倉田真由美さん「ふいに撮った夫の動画は大事な遺産。でも撮っておきたかったシーンは残っていない」

 漫画家の倉田真由美さんは、夫を失ってから半年。なかなか時間薬が効かず、思い出しては涙する日々が続いている。映画プロデューサーとして活躍してきた夫、叶井俊太郎さんの残された動画にまつわるエピソード。

漫画家。2児の母。“くらたま”の愛称で多くのメディアでコメンテーターとしても活躍中。一橋大学卒業後『だめんず・うぉ~か~』で脚光を浴び、多くの雑誌やメディアで漫画やエッセイを手がける。お笑い芸人マッハスピード豪速球のさかまきさん原作の介護がテーマの漫画『お尻ふきます!!』(KADOKAWA)ほか著書多数。

夫の叶井俊太郎さんとのエピソードを描いたコミック『夫のすい臓がんが判明するまで: すい臓がんになった夫との暮らし Kindle版』 『夫の日常 食べ物編【1】: すい臓がんになった夫との暮らし』は現在Amazonで無料で公開中。

 夫の動画をもっと撮っておけばよかったと後悔しています。

 写真も音声ももっとあればよかったけど、一番思うのは動画です。動画の臨場感は圧倒的です。姿、声、動き、観る度に夫を少しだけ蘇らせてくれるような気がして、何度も何度も観てしまいます。

 でも撮った量が多くなくて、スマホに入っている動画は言葉や動きを暗記するほど観尽くしてしまいました。どんな日常の風景でもいい、夫がいる時にいっぱいカメラを回せばよかったと思います。

 夫は表に出る仕事もしていたから、私の知らない仕事をしている夫の映像も結構あります。動画を検索したら、まだ観ていないものもありそうです。

 でもやっぱり、私自身が撮った動画が最高なんですよね。だって、思い出とそのまま繋がっているから。動画を撮った時のこと、その前後まで私の頭の中にあるから。動画をきっかけに、その時の風景を瑞々しく思い出すことができるから。

 でも、夫の病気が判る前は子供の動画ばかりで、夫はたまたま一緒に映っているようなものしかないんですよね…あの頃は、まさかこんなに早くいなくなるなんてカケラも思っていませんでした。

 誰がいついなくなるかは分からないから、大事な人との毎日を皆、大切にして欲しいと思います。