渋滞を悪化させているのはあなたかも? 「サンデードライバー」や「あおり運転」だけじゃない…“普通のドライバー”が意外とやりがちな「NG行為」とは

AI要約

高速道路での渋滞の原因について考察。事故や故障車以外の自然渋滞がもっとも多いこと、特に上り坂での速度低下が影響大であることを指摘。

傾斜の変化に気づかず速度を落とすドライバーが続出し、後続車両への影響で渋滞が広がることを解説。

速度低下が起きやすいサグ部では標識に注意し、ACC搭載の車両では積極的に活用することが重要。

渋滞を悪化させているのはあなたかも? 「サンデードライバー」や「あおり運転」だけじゃない…“普通のドライバー”が意外とやりがちな「NG行為」とは

 休暇シーズンの高速道路では、しばしば「挙動のおかしな車」に出くわすことがある。

 後ろの車列に構わず追い越し車線をのんびり塞ぎつづける車、やたらとブレーキランプを光らせる車、ジグザグ車線変更を繰り返す車……後続車のブレーキを誘発するこれらの動きは、「渋滞の原因」と指摘されることも多い。

 実際のところ、個人の運転はどれほど渋滞に影響しているのだろうか。「渋滞の原因になる運転」について、道路交通関連の資料をもとに考えてみたい。

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「高速道路の渋滞の原因」としてまず思い浮かぶのは、事故や故障車、インターチェンジ付近の混雑かもしれない。しかし意外なことに、渋滞の原因としてもっとも多いのは「上り坂での速度低下」である。

  NEXCO東日本の発表 によれば、2023年中に同社管内で発生した渋滞のうち、事故や工事などに起因しない「自然渋滞(交通集中)」は70%を占める。さらに自然渋滞の約60%が「上り坂・サグ部」で起きており、これは全体の40%以上になる計算だ。

「サグ部」とは道路の傾斜が下りから上りへと切り替わるポイントのことで、こうした箇所では「上り坂なのに平坦に見える」といった錯覚が起きやすい。その結果、傾斜の変化に気づかないまま速度を落としてしまうドライバーが続出し、速度低下が後続車両にも連鎖していくことで、しだいに渋滞が始まっていくわけである。

 とりわけ景色の変化に乏しく、漫然運転に陥りがちな高速道路においては、運転に慣れたドライバーでも傾斜の変化を読み違えることがある。渋滞多発地点のサグ部には、「速度低下に注意」といった標識が掲示されているので、こうした目印を見落とさずに速度をキープしていきたい。

 あるいは、自動的に車速や車間距離を保つACC(アダプティブ・クルーズ・コントロール)を搭載した車両であれば、それを積極的に使っていくのもよいだろう。疲労を軽減するうえでも、便利な機能はどんどん使っていきたいところだ。