【ランキング】「学生が取りたい資格」は? 公務員に代わって人気が上昇している2つの資格は?

AI要約

学生に人気の資格ランキングが公表されており、公務員が1位、公認会計士が2位、税理士が3位であることがわかる。

公務員の人気は下がりつつあり、代わりに公認会計士や税理士の人気が上昇している理由には、将来独立開業が可能な点やAIによっては代替不可能な業務があるためとされている。

特に税理士の受験資格要件の緩和により、20歳以下の学生が増えており、税理士試験に挑戦する傾向がある。

【ランキング】「学生が取りたい資格」は? 公務員に代わって人気が上昇している2つの資格は?

「資格」と一口に言っても、取得しなければその職に就けない資格や、多くの企業で取得を推奨している資格、将来、独立開業を狙える資格など、さまざまなものがあります。学生にはどのような資格が人気なのでしょうか。資格の専門学校TAC(タック)が集計している「学生に人気の資格ランキング」から見ていきます。

TACの「学生に人気の資格ランキング」は、2014年から毎年、公表しています。同校で実施している60余りの資格講座(23年10月現在、通信講座も含む)から、資料請求(インターネットから請求)があったものを、「学生」に絞って請求数の多いものから順に並べています(23年1~10月のデータから算出)。なお、学生には短大生も含まれます。

学生に人気の資格ランキングの1位は、「公務員」です。公務員には国家公務員と地方公務員があります。公務員試験に合格しないと仕事に就けないため、希望する人は大学入学後、早い段階から試験勉強を始めることが少なくありません。ただし、「公務員の人気は22年度と比べて下がっています」とTACマーケティング事業部スクールマーケティング部の三柴陽一郎さんは言います。「公務員は昔から、景気が悪いと人気が上昇し、逆に景気がいいときには人気が下がります。23年からは景気がよくなり、就活生にとって民間企業の売り手市場だからでしょう」

公務員に代わって人気が上昇しているのが、2位の「公認会計士」と、3位の「税理士」です。

公認会計士も税理士も、「AIによってなくなる仕事」と言われることがあります。しかし、三柴さんは「公認会計士や税理士には税務相談やコンサルタント業務など、AIではできない業務がたくさんあります。また、これらの仕事は将来、独立して開業できることも、人気の理由でしょう」と話します。

公認会計士の合格率は22年が7.7%(公認会計士・監査審査会)と、難度は高いですが、受験資格はなく、だれでも受けられます。22年の年齢別合格者を見ると、20歳以上25歳未満が63.8%で最も多く、学歴別合格者は大学在学者(短大も含む)が最多です。

「コロナ後、受験者が低年齢化している傾向があります。大学入学前の高校生や、中には中学生が親御さんと一緒に受講の相談に来ることもあります。コロナ禍の行動制限が解除され、やりたいことの一つとして、『難しい資格に挑戦しよう』という思いがあるのかもしれません」

「税理士」は、さらに人気が急上昇しています。

「20歳以下の資料請求数は、22年度と比べて約1.5倍になっています。大きな理由として、23年度の試験から受験資格要件が見直されたことがあります」

税理士になるには、会計学2科目、税法3科目の計5科目の合格が必要です。このうち会計学科目(「簿記論」と「財務諸表論」)については受験資格要件が撤廃され、年齢は関係なく、だれでも受験できるようになりました。税法科目の受験資格要件も緩和されました。

「簿記論と財務諸表論に合格していれば、税理士事務所で実務ができる力があるとみなされます。大学2年までに税理士試験に合格できれば、3年からの就職活動に間に合うので、税理士試験に挑戦する人は増えていきそうです」

7位の「米国公認会計士」の受験資格は州ごとに異なります。

「4年制大学を卒業していることを要件にしているところが多いですが、大学在学中や高卒、短大卒でも受験可能な州もあります。日本の公認会計士よりも易しい試験といわれているので、英語が得意な方は検討してもいいかもしれません」